孤独が呼んだ悪魔 ページ35
鼻の下に通されている空気の管にも驚いたが、それよりも、目の色に驚いた。
あり得ない、色合いだった。
まるで、陽が沈んだ直後の空の様な、青と赤紫の綺麗なグラデーションになっていた。
そして、前髪の影になって見つけにくかったが、水色の痣もあった。
「君は中等期、いわゆる初期と末期の間のあたりね。
中等期の、うすらい病だ。」
「うすらい…？」
私は、うすらい、と言う言葉を知らなかった。
「別名、インク病とも言うんだけどね。
初期は、インクが飛び散った様な模様の水色の字ができたり、体の先、手先、足先を中心に冷たくなったり、身体中に痛みが走ったりするんだよね。」
そう説明されて、思い当たる節ばかりだった。
体の先が冷たくなるのは気がつかなかったけれど。
「それで、中等期に移行する時の症状、目の色の変化に加えて、見たかどうか分からないけれど、幻覚が起こる。それが、今日の出来事ね。」
「そうなんですか…。」
「んで、中等期は短くて、髪が毛先から白くなったり、体全体が冷たくなる。
それで、末期に入ると自分の意思で歩けなくなって、最後は死んじゃう。」
死ぬ、と言う言葉が異様に重く、冷たく感じた。
でも、うすらいの意味がわからないから上手くピンと来ない。
「…うすらいって…なんですか？」
私は勇気を出して、そう聞く。
あんまり、人の話に割り込むのは得意じゃないから。
「あ、うすらいって言うのは、薄い氷って書くんだけど…。
薄氷は、凄く薄い氷とか、春の季語として、春先に溶け残った氷を表して、儚く消えていくって言うイメージを持たせる意味もある。」
「へえ…。」
だからって何で薄氷病なのだろうか。
インク病の方がまだ伝わると私は思った。
「何でって顔してるね。
それを今から説明するんだけどね。
この病気になる人は、孤独感を、それも、希望が見えない孤独感を感じている人に起こりやすいって言われてるからなんだよ。」
私はまだ、いまいちピンと来てなかった。
文学的すぎるのと理化学的すぎるものが混ざり合い、混乱して来た。
「うーん…溶け残った氷の様に、他と溶け合えない、混ざり切れないみたいな。
たった、1人で取り残され、儚く消えていくから薄氷病ってつけられたんだけど…。
先生も、うーんと唸り始める。
そして、急にはっとした顔をした。
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あ - 内容がすごいわかりやすいです。続き待ってます (2020年5月7日 22時) (
レス) id: 2b1a6cecc8 (このIDを非表示/違反報告)
hitoesasami(プロフ) - kajjjenさん» 読んで頂き本当に感謝です…！！それに面白いなんて言って頂けて嬉しいです…！！応援、ありがとうございます、更新頑張ります！！ (2020年4月6日 17時) (レス) id: 41b3c0e585 (このIDを非表示/違反報告)
hitoesasami(プロフ) - 清川さん» 全然わかりやすいっすよ…！！そしてな、なんと！！？？そんな…嬉しすぎます…！！頑張ります！！本当にありがとうございます！！嬉しすぎて…(´；ω；｀) (2020年4月6日 17時) (レス) id: 41b3c0e585 (このIDを非表示/違反報告)
kajjjen - コメント失礼します！初めてこの作品を読ませてもらいましたが本当に面白いです！応援してます(^^) (2020年4月6日 9時) (レス) id: 6e12a7e235 (このIDを非表示/違反報告)
清川 - hitoesasamiさん» 俺、文作るの下手だから、伝わってよかった^^ログイン出来てないからお気に登録できないけど、ログインしてたら絶対お気に登録してた。しかも俺の中で☆100くらいついてるw頑張れ (2020年4月1日 20時) (レス) id: bdf93be9d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hitoesasami | 作成日時：2020年3月26日 3時
