親近感 ページ21
.
翌日、私たちは菅沼さん曰く全く効果のない神主さんのいる神社へ行った
邪魅が何者なのかを知るためらしい
「Aちゃん、昨日大丈夫だった？
なんかオバケでたんでしょ？」
「おばけじゃない。邪魅だ」
「え！？」
「だがどうも気になることがある」
「気になること…？」
「奴良くんにAくん！私語は慎みたまえ！
神主さんが話してるところだよ！！」
ああ、鬱陶しい。と思いつつ私たちは口を閉じた
神主からされた話はこの地域に受け継がれる伝説とも言える話
それが邪魅に繋がる話なのだ
昔、今となっては名は定かではないが非常に君主に忠実な若い侍がいたという
勤勉でよく働き、何より君主 定盛を心から尊敬していたその若い侍はやがて定盛の目にとまり定盛もその侍のことを信頼し可愛がったという
腕もたったその侍は瞬く間に出世し、いつしか片腕とまで呼ばれるようになった
だがそれを良しと思わぬ者がいた
定盛の妻だ
彼女は何をするにも一緒の二人の仲の良さが気に食わなかった
嫉妬した妻は君主の居ない時に言われのない罪をきせ、侍を屋敷の地下牢に閉じ込めてしまった
その時海沿いにあるこの町を大津波が襲い、町の者達は高台に逃れていたが牢にいた侍はそこで命を落とした
それ以来この町では彷徨う侍の霊が度々目撃されるようになったそうだ
それが邪魅と呼ばれる存在であると
「邪魅というのはうらみをかった人間を襲う妖といわれている……
この地には……
まだうらみをかった大名家の血筋が残っている！」
「え…！？ということは…まさか……！？」
「そう…つまり品子ちゃんはその大名家……
秀島藩藩主『菅沼定盛』の血筋。
その直系にあたるんだよ！」
私はこの神主の説明にずっと引っかかっていた
「…………ふむ」
私たちはそれから神社をあとにし、町を歩いていると町民たちは彼女を見るとヒソヒソ話をしていた
実に感じの悪い者共だ
「Aちゃん、さっきの話どう思った？」
「…昨日見た限りなんだがな」
「うん」
「私は邪魅が恨みを根源に生まれた妖怪ではないと考える」
「え？」
「恨みを根源に生まれ、今なおその恨みを持ったまま彼女を狙うなら邪魅はもっとおどろおどろしい妖気を持っているはず」
だがアレからはそんなものは全く感じなかった
「…確かに、一瞬だけどここに来た時のあれの時もそんな妖気は感じなかった」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 780人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
江(プロフ) - 紅葉さん» こちらこそありがとうございます！待ち望んでいただいてるようで嬉しいです。更新頑張ります！ (2020年11月12日 18時) (
レス) id: 088474bcfb (このIDを非表示/違反報告)
江(プロフ) - MAREさん» ありがとうございます！頑張りますね！ (2020年11月12日 18時) (レス) id: 088474bcfb (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 更新ありがとうございます！早く遠野編や京都編なども読んでみたいです。これからも更新頑張ってください！ (2020年11月6日 20時) (レス) id: 105efbdf0c (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 更新まってましたー！更新ありがとうございます(o^-^)これからもゆっくり頑張って下さい！応援してます〜！ (2020年11月6日 18時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
江(プロフ) - あいねこさん» いえ、一応まだ更新はします。ただ単に今亀更新なだけです、すみません汗 ですが、サイトへの移行が終わればどうするかわかりません。でも現在としてはまだ更新いたします。 (2020年10月29日 21時) (レス) id: 088474bcfb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：江
| 作成日時：2020年5月21日 15時
