【ぬらりひょんの孫】糸繰草 参 【初代】

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そこから私はただ、孫の勇姿を見守るだけだった
途中清継の謎のVTRや雪女のやりすぎな氷に呆れ通り過ぎて頭痛がしたが何とか耐えたものの、いつか正体を明かした時に小言の一つでも言ってやろう



「へ……やったな…？やりやがったな…………？
ぬらりひょんの孫がよ…………」



人型へと戻った犬は、何やらリクオに吠えていた
己は"恨めば恨むほど強くなる妖怪"だと言う
だが、私から見れば恨むよりもあやつはリクオを畏れたとしか思えない
しかし犬がそれを理解することはなく、飛ばぬ首に何度も飛べと言い放っていた


直後現れた夜雀という妖怪が現れ、なぜか照明を壊した



「た…玉章…！？」

「失敗したんだね、バカな犬神……残念だよ。
君は──君の能力は──人を呪い恨み強くなる。
なのに、君は恨む相手を畏れてしまったようだ。
恨みが畏れに変わったら君はもはや…役立たずに…なる」

「な…何言ってんだ？玉章…そんなこと…言うなよ！！
オレを認めてくれたのはお前じゃねぇか！そうだろ！？
なぁオレはまだやれる！！」

「いや、もう終わりだ」

「玉章…」

「散れ、カス犬」



プロジェクターが消えゆく犬神の姿を皮肉にも写した
プロジェクターはその放つ光で2人の若い主を照らす



「お前、今…その犬を…」

「おや。奴良リクオくん…久しぶりだね。
まさか君が、そんな立派な………姿になるとはね。
君をどうやら見くびっていたようだ」



"久しぶり"？
リクオはあの小僧に会ったことがあるのか？



「ふふ…君はおもしろい。
闇に純粋に通ずる魔道──
今の君にならボクが名乗るにふさわしい。
だけど──こんな姿じゃ説得力がないね」



その男の姿が葉が包むと、そこにはもう制服を着た男子はいなくなっていた



「ボクは四国八十八鬼夜行を束ねる者。
そして八百八狸の長を父に持つ者。
妖怪・隠神刑部狸、名を──玉章。
君の"畏"をうばい、ボクの八十八鬼夜行よ後ろに並ばせてやろう」

「…それはこっちのセリフだぜ…豆狸」

「それでは、さらばなり。また会おう」



そうして、玉章と名乗る小僧は消えていった



「……………」



随分と面倒な事態になっているようだ



私は一人立ち上がり、教室からカバンを持って一足先に帰路に着いたのだった


















(鯉伴か牛鬼から話を聞かねばならぬな)

(この町で暴れるとは…いい度胸だ)

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