少女⇒青年【z.m】

12「今日入学式じゃん。」 ページ12

「ひとらーん！ ほら、今日入学式じゃん。早く行かなきゃ遅刻だよ！」

そう言って、ベッドで寝ているひとらんの体を揺する。



「なに…？ まだ6時だよ。」
ひとらんは、眠そうに目を擦る。


「ってか何で俺の部屋いるの？」

「ふふふ…それはね、舞(まい)さんに通してもらったんだー！ いいでしょ、私と舞さんは友達なんだー！」

そう言って、自慢げに胸を張るとひとらんに呆れた目を向けられた。


「あっそ、俺寝るからばいばい。」

「もー、ひとらん冷たいー！ 小学校の時は、俺もAの事好きとか言ってくれてたじゃん！」

腰に手をあてながら、頬を膨らませる。

「これでも、私たち付き合ってるんだから、もっと優しくしてくれへんの？」


「…A好きー。…これで良い？ 眠いの、俺。」

あくびをしながら、もう一度布団の中に潜り込む。


「……昨日遅かったん？」

「うん、夜遅くまで大阪の友達と話してた。」


「大阪に友達いるん？！」


「そりゃね。」


懐かしいなと思いながら、ひとらんの布団を引っ張る。

「寒いんだけど。」


「はい、起きてー。もう7時だもん。」

無理矢理ひとらんの体を起こして、スマホを見せる。


「うわ、もう7時。俺着替えるからちょっと出てって。」




コクリと頷き、ひとらんの部屋から出ていく。



「舞さん、もうひとらん起きましたよー。じゃあ私もそろそろ自分の家戻りますから、また！」

「ありがとうございました。では、また！」

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