51.お前はもう死んでいるゥ！ ページ2
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戦闘民族の構えをした男は、雄叫びを上げながら槍を振りかざす。
それを左に避けるヒソカさん。
そして横に斬りかかった男の槍をヒソカさんは屈んでかわす。
勢い余った槍は後ろの若木を根元から切り伏せる。
それでもヒソカさんは反撃しない。
「・・ヒソカ！！なぜ反撃してこない。」飄々としたヒソカさんとは対照的に男の息は荒い。
「このまま避けていれば、君は勝手に死ぬから。」
男の周りに紅い蝶が群がる。まるで獲物を捉えて離さないかのようなその勢いにおののく。
「おびただしい好血蝶の数が、君の傷の深さを物語っているからね」
ヒソカさんがそう言うか早いか、男は二、三呻き声を上げて地面へと膝をついた。
「既に誰かから致命傷を負わされているんだろう？」
日が沈む前の光彩の鮮やかな空をバックに、ヒソカさんは言葉を続ける。
「無駄だからやめなよ。」
「それでも私は、戦わなければならぬのだ。ビアヌの戦士の誇りにかけて！」
「何ソレ。」
「我ら傭兵ビアヌの戦士。
戦あるところには必ず駆けつけ、一騎当千、敵を切り裂くのが役目。
・・・・我らビアヌは最強の名を欲しいままにしてきた。
そして私はこの試験が始まった時から感じていたのだ。
貴様と一戦交えたい、と。」
男はゆっくりと顔を上げ、ヒソカさんを見上げる。
その顔に映るのは恐れか、焦りか、それとも。
「せめて、命消ゆる前に我が思いを果たしておきたい。
・・・・・っ頼む！！戦ってくれ！！！」
男の叫びはあたりの空気に溶け込んで消えた。
「・・・・僕さあ、死人には興味ないんだよねぇ。」
「っな、なに？」
「君、死んでるよ。」
「目が。」
グ、といううめき声とともに男が震えた。
ヒソカさんは切り倒された若木の切り株へと腰掛ける。
すると、男は槍を杖にして立ち上がった。
沈む太陽と逆光になって、その姿は眩しくてよく見えない。
槍を手にまっすぐ前を見る姿が、理由もなく瞳に残った。
「うぉぉぉおおおおおおおおおお！！！！！」
雄叫びを上げながら、おそらく最後の、いや最期の力を振り絞って走り込む。
槍の切っ先がヒソカさんに届くあと少しの、そのとき。
男が不自然に揺れ、そのまま仰向けに倒れた。
男の額には無数の針が刺さっていた。心臓に刺さったのと同じような。
「いやあ、ごめんごめん。油断していて逃がしちゃったよ。」
ヒソカさんの背後に立ったのは、さっきまで私の後ろにいたはずのイルミさんだった。
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おじいちゃんパンチ - 天才よ帰ってこい (4月2日 14時) (
レス) @page39 id: 14d47f2dfd (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 久々に占ツクで面白い作品見つけました。更新待ってます。 (6月18日 19時) (レス) @page39 id: f494c8d92f (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 凄く面白かったです！！更新待ってます！ (2022年6月23日 14時) (レス) @page39 id: 846f3d2d4a (このIDを非表示/違反報告)
ねこ@自己満小説(プロフ) - 約2000人の人があなたの帰りを待ってます！それはもちろん僕も同じです！なので早く戻ってきてください。 (2021年11月28日 21時) (レス) @page39 id: d675a829f6 (このIDを非表示/違反報告)
キーさん(プロフ) - すごく面白かったので続きが見たいです!!!更新待ってます！ (2021年8月17日 8時) (レス) id: 1d2c287881 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みんくる | 作者ホームページ：http://nanos.jp/connector/
作成日時：2015年7月15日 19時
