【HUNTER×HUNTER】落下速度とはためくスカート

19.一ヶ月後 ページ19

.

ハンター試験を受けると決めてから半年も過ぎた頃。

今は夜の仕事中である。


だが頭の中はあと一ヶ月後に迫るハンター試験のことで一杯だった。
今は、マグナさんからの熱血指導(意味深)により、近接戦闘のコツと型をやっと覚えて来たところ。
相手の力を利用して攻撃をかわしたり、逆に相手にダメージを食らわせる。
これがマグナさんの戦闘のモットーだった。
それは合気道や格闘技のカリ、ジークンドーを合わせたような戦闘の仕方で、圧倒的に非力な私でも勝算が見える唯一の方法だった。

時に知識は武力を超えるのだ。

受験することは自分で決めたことだけどやっぱり怖いものは怖い。
試験受けたくねえよぉ・・・・！！

「Aちゃん、これ、6番さんに。」
「はい。」

こんなことになった元凶のマグナさんを、少しだけ恨めしそうに見た。
だが、マグナさんは気づかず、そのままスタスタと厨房に戻ってしまった。

ちくせう。

「お待たせいたしました。タコと海藻のカルパッチョです。」
「どうも」

皿をテーブルに置くと、ちょうど玄関の方からベルがチリリンと鳴った。
今日は客が少ないなと思いつつ、急ぎ足で玄関に向かった。



「いらっしゃいませ、こんばんは。何名様で・・・・」

とお辞儀をし、顔を上げたとき。あれ？デジャヴ？


「2人」

イルミの形のいい唇が動いた。


「お、おタバコは吸われますでしょうか？」
「吸わない。」


「あ、ヒドイなぁ・・ボクに一言吸うか吸わないかぐらい聞いてよ。」
「吸ってたとしても禁煙席だった。」

ククククッとヒソカの薄い唇から笑いが漏れた。



「では、ご案内いたします。」




悲報 犯罪者が2名来店いたしました。


マグナさん、助けて。



.

20.期待→←18.急所と流し

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す