16.冗談と本当 ページ16
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ハンター試験。
試験内容は非常に苛酷で毎年多数の死傷者が出ている。
申し込み人数は数百万人に上るが、試験会場に辿り着く途中にも様々な罠が仕掛けられているため、実際に試験を受ける受験生は1万人に1人と言われている。
勝てば官軍負ければ賊軍
まさに生きるか死ぬか。
今回のハンター試験の内容は、漫画で何回も読んだし、熟知している。他の受験者よりかは有利のはずだ。
しかし私には決定的に欠けているものがある。
基礎力だ。
幾多の経験を積んできた受験者達とは違い、私はただの一般人だ。体力もなければ知恵もない。戦う術も知らない。
未来を知っていてもそれを使う力がない。
私はそう確信している。
このままハンター試験を受験しても無駄死にだ。
「やっぱりやめておきます。まだ死にたくないので。」
ひらりと笑ってマグナさんを見上げるが、マグナさんは納得してはいないようだった。
「本当に?」
彼に窓疑い深く聞かれるとやはりなんとなくまだ諦めたくないと言う気持ちが少しずつ湧き上がってきた。
今はマグナさんのもとで養ってもらっているが、いつかは必ずここから出て行かないといけないと思っている。だからこそ1人で生きていける何かが必要だった。
1番に思いついたのはハンターライセンスだった。
ライセンスを持っているとハンター専用の情報サイトを利用できるようになるほか、各種交通機関・公共機関のほとんどを無料で利用できたり、
所有しているだけで一生不自由しないだけの信用を得ることができ、ライセンスそのものも極めて高い価値を持つ。
これがあれば1人でも生きていける。
「本当は受けたいです。でも生きて帰ってこれる自信がない。」
「それはなぜ?」
「… .私には力も、知識も、経験もないからです。」
「君は賢い子だ。それを自覚できているだけでも君は他の子よりも秀でている。だけどそれぐらいのことなら、今からでも間に合う。
僕が、君に、僕の生きてきた分の力と、知識と、経験を分け与えよう」
「どうしてそこまで」
「君には素質があるんだ」
「ないですよ。そんなの」
「いや、ある。
数多の受験者の中で合格するものと合格しないものの差は何か。勿論、経験や力や知恵の差によるものもあるだろう。
だが、1番の差はね、生への執着だよ。
君は、僕がハンター試験を受けるかと聞いたとき、死にたくないから受けないと答えた。君は何よりも先に生き延びることを考えた。
それが素質さ」
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リュイ - 飛行する女子高生が部分好きですw面白かった! (2021年10月19日 17時) (レス) @page24 id: 2183f1b6e8 (このIDを非表示/違反報告)
緑 - あのー弱火でじっくり飽きるまでじゃなかったでしょうか (2020年10月17日 9時) (レス) id: bc36a2a3f7 (このIDを非表示/違反報告)
寝夢(プロフ) - 題名に爆笑しました (2017年6月5日 23時) (レス) id: 0c9f17ee4b (このIDを非表示/違反報告)
みんくる(プロフ) - えーでりひさん» ありがとうございます!!!実際作者はとうらぶ未プレイなんですけどね・・・審神者をしんしんしゃって読んでましたし(; ̄ェ ̄)更新頑張ります( ^ω^ ) (2015年8月13日 11時) (レス) id: 8267781c3e (このIDを非表示/違反報告)
えーでりひ - とてもおもしろく読ませていただきました!!江雪ネタが出てきてビックリしましたwこれからも頑張ってください!! (2015年7月25日 18時) (レス) id: ce3d448fad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みんくる | 作者ホームページ:http://nanos.jp/connector/
作成日時:2014年4月2日 19時