2話 ページ3
初代から我が霧条一族は五条家に尽くしてきた。
現当主、私の父は五条の父親と友人という絆で結ばれた仲だ。
私は霧条家の次女として生まれ、兄に続き、自分の家を守る為に立派な呪術師になる修行をしていたが十歳になった時、父親からある事を伝えられた。
【私に四つ上の許嫁が決まった】と。
お相手は仕えている五条家の嫡男で六眼の瞳を持っている悟様だった。
許嫁が決まったならすぐに会えるのかと思ったのだが順調に行かず、結局初めて会ったのは私が高専に入る一ヶ月前だった。
?「A」
貴「は、はい!いたっ!」
名前を呼ばれ振り向くと硝子さんと同じく先輩である夏油さんが私の額にデコピンをしてきた。
多分、優しめにしているとは思うのだが、とてつもなく痛い・・・・。
夏「集中が途切れてる、何かあったのか?」
貴「あ、いや、特に」
夏「前の任務の時、悟に嫌味言われたのを思い出したのか?」
お見通しだ。
「はい」と小さな声で返事をすると夏油さんはため息を吐くとあの人が書いたであろう報告書を見た。
夏「あいつの事だ、無理矢理任務について行ってさっさと片付けてAの出番はなしって所かな」
貴「いえ、何体かは祓ったのですが最後の一体の時、手こずってしまって」
夏「そうか、あまり気にするな」
肩を優しく掴み励ましてくれる夏油さんに申し訳ないと思っていると教員室の扉がガラッと開いた。
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作者名:黒雀 | 作成日時:2021年1月15日 17時