占いツクール
検索窓
今日:2,439 hit、昨日:4,221 hit、合計:265,884 hit

3164.【5】 ページ14

[先輩side]

反応も鈍くなって
体をほとんど動かせない雅紀くんを、何度か
翔くんと一緒に、屋上に連れていった。

その度に翔くんは雅紀くんに何かを話そうとして
やっぱりやめて…そんな繰り返し。

この状況だから、下手なことは言えないし、でも
翔くんは嘘を付けないから…上手く言葉が
見つからないんだろう。

俺ももちろん、嘘をついてまで雅紀くんを励ませとは
思っていないし、望んでいない。

「今日も風、気持ちがいいな」

翔「ですね。な?雅紀」

雅「…」

目だけをキョロキョロと動かす雅紀くんの頭を
優しく撫でた翔くん。

その優しい眼差しから、キリッと真剣な目に切り
変わった。

あぁ…話すんだなって。

翔「今さ、ものすごく辛いよな…」

雅「…」

ここ数日で、さらに反応が鈍くなってしまった
雅紀くんは、翔くんの言葉には反応できない。

でも、伝わっていると思う。

翔くんもそう信じているんだろうね。

翔「よくなってるから…」

雅「…」

躊躇わずに、雅紀くんの目だけを見つめて言葉を
繋いでいく。

翔「本当に少しずつだけど…でも、少しずつでも
回復に向かっていってるから。な?」

雅「…」

翔「良くなってる。必ず治る」

雅「…」

翔「だから、頑張ろう。雅紀にならできる」

雅「…」

翔くんが握った雅紀くんの手。

微かに握り返されているのが分かる。

きっと『ありがとう』って。

たぶん『頑張るよ』って。

そう伝えたいのだろう…って勝手に予測する。

ほとんど反応できない状態だったから、雅紀くん
なりに力を振り絞ったんだろうなって。

自分のために、一生懸命に話してくれた翔くんに
気持ちを伝えたんだね。

まだまだ一進一退の状況が続くだろうけど、みんな
なら乗り越えられるのを知っている。

和「せんせーい!」

潤「こんにちはー!」

今回はこの子達も強い気持ちを持って、雅紀くんを
支えようと頑張っているからね。

和潤「マッサージする!!」

翔「ん、頼むな!」

ベッドサイドで見せるキラキラの笑顔。

『必ず治る』『絶対に良くなる』って信じている
心からの笑顔がそこにはあって。

言葉は発せないけど、雅紀くんにも伝わってる。

この5人を見ていると、少しずつ分かるように
なってくる。

ピンチの時こそ、力を合わせたり、支え合ったり。

自分自身が前を向くことで、他人のことを支える
ことができるということ。

5人からは学ぶことが多すぎる。

それほどに素敵な兄弟達だ…

END

3165.【双子と火災事故】→←3163.【4】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (270 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
4672人がお気に入り
設定キーワード: , 家族 , 病系
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年6月7日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。