3157.【2】 ページ7
［潤side］
まさか精密検査だなんて
大袈裟なことになるとは思っていなくて…
翔にぃから説明を受けながら、不安が膨らむ。
見せられたカテーテル検査をする処置室が、手術室
みたいな雰囲気なんだもん…
でも、事前に見せてもらえてよかった。
診察室みたいなところをイメージしてて、いざ手術室
ってなったら不安になったと思うから。
翔「最初の麻酔の注射がちょっと痛いから」
「…ん」
翔「太もものところに麻酔の注射な？」
「…ん」
太ももに注射されるなんて、ちょっと恐い…
だけど「恐い」とか「不安」とか口にすることに
なんだか抵抗を感じてしまって言い出せない。
翔にぃの前だけじゃなくて、誰の前でも言えなくて
恐さも不安も、自分の中に閉じ込めた。
これ以上、みんなに心配掛けるのも嫌だしね。
結局、精密検査まで1週間くらいあったけど
気持ちが落ち着かないまま過ごして。
翔「明日の朝、一緒に行こうな。大丈夫？」
「ん、平気。…お願いします」
とうとう当日を迎えてしまう…っていう。
スマホで色々と調べてみたけど、調べれば調べる程
不安な気持ちも膨らんでしまったし。
翔にぃから聞いた話だけにしておけば、少しは
安心して検査を受けられたのに…
ネットにはあることないこと何でも書き込まれて
いるからね。
なにがほんとで、なにが嘘かさっぱり…
［翔にぃside］
「ちょっとここで待っててな」
潤「ん、分かった」
翌日、潤を連れて病院にきた。
ここまで、一度も弱音を吐いていない潤のことが
気になりつつも、特別にフォローすることもなく
カテーテル検査当日になってしまった。
フォローするかどうかは、智にぃと雅紀とも
話したんだけどね…
プラスと出るかマイナスと出るか判断がつかなくて
結局…ね。
検査始まるまで、少し様子見かな。
診察室で待たせて、診察の準備と着替えの準備。
先に検査着に着替えさせて、それから診察。
「検査の流れ大丈夫？もう一回おさらいしとく？」
潤「んーん、平気」
「そっか。じゃあ、移動しよっか」
潤「うん」
カテーテル室は少し早めに空けておいてもらった。
検査前の点滴をしたり、雰囲気に慣れるのに時間が
必要かなって思ったから。
特にね、今回潤は強がっていて、いっぱいいっぱいに
なっている感じがするから。
「点滴するから、検査台座ってくれる？」
潤「…ん」
カテーテル室に入るときに俺も身支度を整えた。
帽子にマスク。
潤は不安そうな顔…
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作者名：空
| 作成日時：2019年6月7日 19時
