3165.【双子と火災事故】 ページ15
[潤side]
和「じゅーん!いこー?」
「ウォンッ!」
「おう!いくか!」
夏休み。
俺らは朝と夕方の2回、あらしの散歩に出掛けてる。
和「ねーねー、今日あそこ寄ってみようよ!」
「行ってみるか!」
和「やった〜!秘密基地〜♪」
夏休みになって、いつもより長めに散歩しているから
コースを少し変えてるんだ。
何箇所か寄り道できる場所も見つけた。
今日はその一箇所で、廃墟になっている小屋みたいな
ところに行ってみることにした。
和「意外と広いね!」
「ほんとだ!」
「ウォンッ!」
和「きゃはっ!あらしも気に入ったみたーい!」
小さな一軒家くらいの広さがあって、廃材とか
鉄くずとか色々散らばってる。
天井の一部が外れているから、日が差し込んでいて
中は電気がなくても明るかった。
和「なんかさー、お宝とかないかなー?」
「んー?」
和「宝石とか!」
「なんだそれ!笑」
和「くふふ…」
和はいたずらっぽい笑みを浮かべて「それ見つけて
億万長者〜♪」とか言いながら散策してる。
可愛いとこあんだよな〜なんて思って、俺も少し
ブラブラしていたら…
ガラン…ガラン…
和「…っ!!わぁー…」
「かず!!」
何かが落ちる音と共に、和の悲鳴が聞こえてきた…
[和side]
なんか良い物ないかな〜と思って、棚の上の箱に
手を伸ばしたら、横にあった金物が落ちてきた。
怪我もしてないし、ビックリした程度で済んで。
そこまではよかったんだけど…
潤「かず!…大丈夫か?」
「…っ、ん…」
次の瞬間に物凄い音と衝撃で、気が付いたら地面に
倒れていた。
「…っ、いたい…」
潤「大丈夫。今すぐ、どかすからな?」
「ありがと…」
「ウォンッ!」
倒れてきた棚に下半身を挟まれてしまって動けない。
足には結構な痛みがある…
心配してソワソワするあらしの頭を撫でて、潤が
棚をどかしてくれるのを待ってたんだけど…
潤「…ごめん、和。重くて一人じゃ無理だ…」
「そっか…ごめんね。誰か呼んできて?」
倒れた棚の上に、鉄のパイプみたいなのが乗っかって
しまっているらしい。
「この辺、人通り少ないからな…」
潤「誰かいるといいけど…ちょっとだけ待ってて」
潤は「あらし、和のこと頼むな!」って、あらしの
頭を撫でて外に出ていこうとしたんだけど…
潤「かず…火が…」
「…え?」
棚の下からメラメラと火が…
潤が慌てて消そうとしてくれたけど、すでに手遅れ。
倒れた棚の隣の棚に燃え移った…
4210人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:空 | 作成日時:2019年6月7日 19時