3145.【学校の廊下で嘔吐】 ページ45
［和side］
授業中…
「…っ…」
胃酸が込み上げてきて気持ち悪くなった。
我慢してしまうことが比較的多い俺だけど、教室で
嘔吐するのだけは避けたくて…
授業の真っ最中だったけど、手をあげて先生に
合図して、教室を出て保健室に向かう。
「…っ、おぇっ…」
冷や汗すごいし、廊下で何度も立ち止まってしまう程
気持ち悪さが増してきて…
このままじゃマズい…せめてトイレにって思うけど
歩くのもままならなくて。
「…っ、んっ…おぇっ…」
ヤバい…出ちゃう…
口元を押さえながら、壁伝いにフラフラ歩く。
なんとか堪えなきゃって…
「…っ、おぇっ…ん…」
込み上げてくるものを必死に堪えるけど、そろそろ
限界かも。
なんとなく分かるんだよね。
こんなことなら、潤に付き添ってもらえば
よかったな…
視界もチカチカしてきちゃったし、限界。
「…っ、んっ…んっ…おぇっ…」
堪えようとしたけどアウト。
膝をついて、廊下に倒れこんで嘔吐してしまった…
なんとか口元に手を添えたけど、そんなの気休めにも
ならなくて。
廊下も手も、汚れてしまった…
「…っ、…んっ…おぇっ…」
どうしよう…
焦る気持ちとは裏腹に、嘔吐は止まらない。
［潤side］
教室を出ていった和が気になるけど、そこそこ
しっかり歩けていたから大丈夫かな…と思って
あとを追うことはしなかった。
でも先生が「見てきてやれ」って言ってくれて。
保健室までダッシュで駆け付ける予定だったん
だけど…
「…っ、かず！！」
和「…ゅ、ん…？」
和は保健室まで辿り着くことすら出来ずに、廊下の
端にしゃがみ込んでいた…
「…あ、間に合わなかったか…」
和「…ん、ごめ、ん…」
傍に駆け寄ったら、嘔吐してしまっていることに
気が付いた。
「保健室いってくる。待ってて」
和「…ん」
和を一人残すのは心配だったけど…
幸い、授業時間はまだ半分以上残っているから
廊下を生徒が通ることも、可能性としては低い
だろうと思って。
廊下を走って階段を駆け下りて…
トントントン…
「…失礼します」
ノックの意味はないな…って程、勢いよく保健室の
ドアを開けてしまった。笑
でも、保健の先生は焦っている俺を見ても冷静に、
「潤くん、どうしたの？」って対応してくれた。
俺が早口で経緯を説明している間にも、パパッと
嘔吐処理の準備をし始めてくれて。
「これ持って先に戻っててあげて？」って、うがい用の水と洗面器とタオルを託してくれた。
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作者名：空
| 作成日時：2019年3月25日 20時
