3135.【雅にぃ幼稚園の頃】 ページ35
［NO side］
智は小学校1年生。
翔は年長組、雅紀は年中組。
そんな幼い頃のある日…
母「あ、まさき〜？それ翔の折り紙でしょー？」
雅「いんだもん！」
なにがいいんだか…笑
母親が洗濯物を取り込んで戻ってくれば、静かに
遊んでいた雅紀は折り紙を破いたりクシャクシャ
したりして悪戯していた。
子どもは、何かをやらかしている時、大抵が
静かなのである。笑
今日は翔が延長保育。
延長保育だと友達と夕方まで遊べるから…と、
翔の最近のお気に入り。
17時までの預かりで数百円でおやつ付きと
リーズナブル。
夕方までの時間は、智の宿題を見たり、夕食の支度を
したり、まだまだ手のかかる雅紀もいるから
一人いないだけでも大助かりな母親。
ほんとは雅紀も預けたいくらいだけど、雅紀は
まだ「えんちょー嫌い！おかあさんと帰る！」って
きかない。笑
それはそれで可愛いな…と思う母だけど。
母「あ、翔が大事にしてるキラキラまで…」
雅「ビリビリ〜！」
翔が「キラキラ折り紙はカッコいいから、俺まだ
使わなーい！」って大事にしていた金と銀。
雅紀が豪快に破いている…
幼稚園から帰ってきた翔がこれを見たら、きっと
ガッカリ…するだろう。
その顔を思い浮かべて、母は可哀想だな…と思った。
翔はまだ5歳だけど、雅紀に対してはいつだって
優しいから、きっと今日も怒らないだろう。
無理して笑って「また買ってね！」って言うに
違いない。
翔の顔が浮かべば浮かぶほど、切ない気持ちになる
母なのであったが…
雅「ビリビリ〜」
母「…笑」
本当に楽しそうに悪戯をして遊ぶ雅紀を見ると
『優しいお兄ちゃんでよかったわね』という思いと
同時に、癒されるのである。笑
智「僕、買ってきてあげるよ！」
母「えっ？」
リビングのテーブルで宿題をしていた智から、突然の
申し出。
こちらの状況には見向きもせず宿題をしていると
思っていたのに、母親が困っていることに気が付いて
いたらしい。
幸い、時刻はまだ15時ちょっと過ぎ。
翔の折り紙は家から徒歩圏内にある、家族でよく
買い物に行く100円ショップで購入したものだから智におつかいを頼める。
母「ほんとに？お願いしてもいい？」
智「ん、いいよ！買ってくる！」
智は翔の良き理解者だから、きっと翔がビリビリの
折り紙を見てガッカリすると分かっての行動だろう。
もちろん母も、そんな智の優しい気持ちに気が付いて
いる。
小さくても、智にぃも翔も優しい兄なのだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3989人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2019年3月25日 20時
