3133.【4】 ページ33
［智にぃside］
和と話をしてみたけれど
「オムツしたくない」と「でも迷惑は掛けたくない」
の間で揺れているみたい。
確かに、毎回トイレの失敗をするワケではないし
歩いてトイレにいくことも可能な状況だから
オムツに抵抗を感じるのもよく分かる。
「オムツの方がラクだな…って思ったら、それから
変えてもいいよ？…今はやめておこうか」
和「…ん」
暫く考えた和はコクン…と頷いてくれた。
何度トイレの失敗をしたって、俺らとしては何の
問題もないんだけどね。
でも、自分が和の立場だったら…って考えたら
やっぱり同じように悩むしショックもあると思う。
それは他の3人も同じに感じていることだと思うんだ。
和が寝息を立て始めたから、部屋を出てみんなに
報告。
みんなね「和の気持ちを優先しよう」「和の気持ちを
大事にしよう」って言ってくれて。
「かず…みんなお前の味方だからな…」
部屋に戻って、眠っている和の頭を撫でる。
翔の話によれば、体は相当辛いだろう…って。
代わってやりてぇな…っていつも思う。
そっと手を握ったり、頭を撫でたり。
和の存在を感じられるだけで、心が満たされて
いくのが分かるんだ。
［和side］
尿意を感じたのは夢の中だったのか、現実なのか…
目が覚めた時にはボーっとしていて分からなかった
けど、下半身が気持ち悪い感じがして…
あぁ…またやってしまったんだって分かった。
手を握ってくれている智にぃは、まだ気が付いて
いなくて「…ん？」って優しい笑顔を向けてくれる。
「あのね…？」
智「うん。…どうした？」
「…また、やっちゃっ、た…」
泣きたくなんてないのに、涙が勝手に零れて
くるんだ…
智「そっか、じゃあ綺麗にしないとな？」
「…っ、んっ…んくっ…」
智「ふふ…泣かなくていいの」
優しく頭を撫でてもらったり、胸元をさすったり
してもらっているうちに、落ち着いてきた。
翔にぃが、ホットタオルとか洗面器とか持って
フォローにきてくれて。
本当は「ごめんなさい」じゃなくて「ありがとう」
って言いたいのに、前向きな気持ちにはまだまだ
なれなくて…
「…っ、んっ…めんなさ、い…んくっ…」
翔「いいの。体も辛いのに、和はほんとによく
頑張ってるよ。偉いな…」
智「ふふ…ほんとだね」
にぃ達の優しい言葉と温もりでホッとする。
オムツ履けば迷惑掛けずに済むのかな…って思いも
頭を過ったけど。
優しい笑顔を見ていたら『迷惑』って言葉は
消えていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3989人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2019年3月25日 20時
