3124.【4】 ページ24
［智にぃside］
和の話では、クラスメイトは
潤のトイレの失敗のことより、体調のことをとても
心配してくれているらしい。
和は『いいクラスだから…』って呟いた。
きっと色んな経験をしている和だからこそ感じる、
クラスの優しさとか温かさとかがあるんだろうな…
って思うんだ。
でも、今の潤にそれを伝えてもプレッシャーに
なるだけだろうから…
「頭痛いね…冷やしてもらう？」
潤「…ん」
ストレスで体の色んなところに不調が出て、学校も
「行きたくない…」って拒否。
潤「んん…行きたく、ない…」
「ん、分かってるから…ね？…でておいで？」
潤「…んん」
「…じゅーん？」
翔が部屋に入ってきたら布団を被って逃げ腰。
別に無理矢理に学校に行かせたりしないのに
不安が募っているんだろうね。
翔「冷えピタ持ってきただけだから…大丈夫。な？」
潤「…」
翔「じゅん…？」
翔が優しく布団を捲ったら、潤んだ目でこっちを
見つめてくる可愛い末っ子。
フルフルと首を振りながら「行きたくない」って。
「分かってるから。…行かなくていいから」
翔「そうだよ、潤。無理して行かなくていい」
潤「…ほん、と？」
智翔「ん、もちろん」
翔と見事にシンクロしたら、潤も「くふふ…」って
笑ってくれて、やっと少しホッとしたみたい。
翔「まだちょっと熱いもんな…辛いのは頭痛だけ？」
潤「ん、頭が痛いだけ…」
翔「お腹は？」
潤「…へーき。痛くない」
翔が確認しながらお腹にそっと触れるけど、痛がる
様子はない。
冷えピタを貼ってもらったら嬉しそうに目を細めて
翔の手を捕まえてる。
今はたっぷり甘えることが一番の薬かもしれない。
「なんか食べられそう？朝ごはん作ってくるよ」
潤「…ん、みんなは？なに、食べたの？」
「今朝はフレンチトースト。潤も食べる？」
潤「…ん、食べたい」
「じゃあ、作ったら呼ぶね」
食欲が出てきたのもよかった。
翔に潤のことを頼んで、俺は朝食作り。
すでに雅紀と和は家を出ているから、翔と潤と
自分の分を用意する。
キッチンにいい匂いが広がってきたところで…
翔「うわ〜、美味そ〜！顔洗ってこような？」
潤「…ん」
食いしん坊な翔が、潤の手を引いてキッチンを
覗き込んできた。笑
『いただきまーす！！』
3人で、たわい無い話をしながら食べていたけれど
途中から潤が「学校に電話してくれた？」って
気にし始めて。
「ずっと休むって電話して欲しい…」って、
言い出した。
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作者名：空
| 作成日時：2019年3月25日 20時
