3101.【あらしと子猫】 ページ1
［潤side］
学校から帰ってきて
和と2人であらしの散歩にきた。
あらしは、和と一緒に散歩に行ける日は、なかなか
家に帰りたがらない。
逆に入院中とか、自宅で療養中はソワソワして
速攻で帰りたがる。笑
相思相愛ってやつだ。
「あらし〜、進もうよ〜…」
和「そうだよ〜…笑。いつまでクンクンしてんの」
道路の途中の排水溝のところで、ひたすらクンクンと
鼻を動かしているあらし。
「いこうよ〜…」
和「あれ？なんか聞こえる！…猫？」
車の通りはそんなに多くないんだけど、排水溝を
水が少し流れる音で気が付かなかったけど…
「ほんとだ…子猫かな？」
和「あらしはこれが気になってたんだね」
和が座り込んで、頭を撫でたら鼻をスンスン
鳴らしてるあらし。
心配しているのかな…
「どうしよう…これ外れないよね…」
和「…ん、どうしよう」
排水溝の蓋は外れそうにない。
それに鳴き声は聞こえるけど、猫の姿は見えないし…
でもさ、このまま知らん振りすることなんて
出来なくて。
だって弱々しい声でミィミィ…って。
俺らじゃ、どうすることもできずオロオロしていたら
「あれ？和くんと潤くん？」って聞き慣れた声。
和「あっ！先生！」
「こんにちは！」
声を掛けてくれたのは翔にぃの先輩の先生だった。
［翔にぃside］
そこそこ遅い時間になってから散歩に行こうと
していたから「暗くなる前に帰ってきて」って
智にぃが伝えたんだけど…
智「なかなか帰って来ないね…」
「ちょっと、見てこようかな…」
楽しくなって遅くなってしまうのは割といつもの
ことだけど、それにしても遅いから。
智にぃと家を出たところで、ちょうど雅紀が帰って
きたから3人で迎えにいくことに。
いつもの散歩コースだろうな…と思って歩いていたら
消防車に警察車両…
「なんだろう…」
智「…急ごう！」
道路に人だかりが出来ていて…頭にパッと浮かぶのは
『もしかして、和…？』って思い。
不安になって駆け寄ったら…
「えっ？…先輩？」
先「あ、翔くん」
双子の傍に、まさかの先輩がいた。笑
先輩は「翔くんに直接確認したいことあってさ、
家に向かって歩いてたら、和くんと潤くんがいて」
って事情を説明してくれた。
双子は俺らに見向きもせず、子猫がレスキュー
されるのを、じっと見てる。
消「はーい、出てきたよー」
和潤「わぁ！ありがとうございます！」
タオルに包まれたのは小さな子猫。
消防の人の手から、和の手へと渡された。
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作者名：空
| 作成日時：2019年3月25日 20時
