2993.【3】 ページ43
［翔にぃside］
「少し痛いよ…
力、抜いてて？」
潤「…ん」
智にぃが、潤が息を吐けるように「ふー」って声を
掛けてくれて。
潤が真似をしたところで麻酔の注射を打つ。
潤「…っ！んっ…ん〜…」
「がんばれ…あと少し」
化膿した傷のそばに針をさしていくわけだから
そりゃ痛いよな…
智にぃも顔背けてる。笑
潤「…っ！ん…ん…」
「がんばれてる、頑張れてる」
潤は俺の上着に顔を押し付けて、唸りながら痛みに
耐えてる。
こんな頑張ってるから言いたくはないけど、きっと
処置はもっと痛いと思うんだよね…
これだけ化膿しちゃってると、神経が興奮状態で
麻酔が効きにくいから。
智にぃにはこっそり伝えてあるんだけどね…
「よし、麻酔おしまい。少し休憩な」
潤「…ん、痛かった…」
ちょっと拗ねつつも、どこかホッとしたような
表情を見せる潤。
言おうか言わないか迷っていたけど、ちゃんと
伝えてあげた方が良さそう…と思って。
「麻酔の効きが悪いかもしれないから、ちょっと
頑張ろう」って。
酷かな…とも思うけど、このままホッとして
激痛だったんじゃ、あまりに可哀想だからさ…
潤「…やだよ、もう。痛いの嫌い…」
「ん、分かってる。なるべく痛くないように
するから」
潤「んん…」
伝えた途端にモゾモゾ張って逃げ出そうとするから
足首を捕まえて説得。笑
「やだやだ」と言いつつも、頑張る決心はついた
みたいだから、進めることにした。
「汚れと膿、洗い流していくな？冷たいけど
多分そんなに痛くないから」
潤「…ん」
ここまできたら、もう早く終わらせてやるに限る。
生理食塩水をジャブジャブかけながら、傷口の洗浄。
潤も痛みはないみたいで、大人しくしてる。
ただ、ここからは少し痛みが出るかも…
かけるだけでは取りきれなかった汚れと膿を
医療用のブラシで掻き出していくから。
「じゅん？少し傷口触るからな」
潤「んん…痛くしないで…」
「なるべくな？だから頑張って…」
潤「…ん」
まだ砂も入り込んでいるから、少し時間がかかって
しまいそう。
潤「ん〜…痛い…」
「頑張れ…」
潤「あっ…ん〜…痛いっ！いたいよ…」
割とよくある処置だから、俺としては慣れてる。
智にぃは「うわぁ…」って言いながら再び顔を
背けてしまっているけど。笑
潤「んー…まだな、の…」
「あと少し…」
潤「んん〜…うー…」
悶える潤は手をバタバタ、顔を何度も上着に
押し付けて…
でも、ちゃんと耐えてる。
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作者名：空
| 作成日時：2018年9月6日 18時
