2981.【潤の幼児退行】 ページ31
［翔にぃside］
「やっぱり…
そうですよね…」
先「ん、間違いなさそうだね。すぐに投薬始めれば
大丈夫だろうけど」
「ですね…嫌がるだろうな。笑」
ここ数日、体の痛みを訴えていた潤。
少し早いけど、インフルエンザの関節痛かもって
ことで検査したけど陰性。
血液検査をして原因が発覚した。
「1週間くらい、注射で投薬して原因になっている
菌をやっつけないといけないんだ」
潤「…毎日？」
「ん、毎日3本…」
潤「…痛そう…」
先輩にも同席してもらって、診察室で結果を伝える。
不安そうに瞳を揺らす潤の肩を智にぃがしっかり
支えてくれているから、今のうちに…笑
「…お尻に注射しなきゃいけない」
潤「えっ…」
嫌なことは伝えてしまおうと思って。
潤「やだ…」
「でも、頑張ったら元気になれるんだよ？」
潤「…そうだけど…」
まぁ、そりゃあ嫌だよな。
分かってはいるけど、ここで「じゃあ、やめよう」
って言ってあげられないのが医者であって…笑
なんて言葉を掛けようかと迷っていたら…
先「毎日、お尻に3本も注射じゃ嫌だよな？」
潤「…ん」
先「でもね、翔先生がいてくれるお陰で、潤くんは
お家で治療が受けられるんだよ」
潤「…翔にぃ、やってくれる、の？…お家で？」
先「そうなの。すごくない？笑」
潤「…すごい。笑」
先輩が助け舟を出してくれた。
毎日病院で注射を受けなきゃいけないと思っていた
潤にとって、先輩の言葉はかなりプラスになった
みたいで。
「頑張る」って言ってくれた。
先輩によくよくお礼を伝えて病院を出る。
家で待っていた雅紀と和も「原因分かって
よかったね」「頑張れ」って言ってくれて。
投薬の期間は学校を休まないと行けないから、和が
「ノートちゃんと取って、潤に教えるね！」って
張り切っていて。
潤も、和がお兄ちゃんみたいに振る舞う姿を見て
「くはは！頼むね、頼りにしてる」って嬉しそうな
顔をしていた。
どちらかというと、いつも立場が逆だからね。
お兄ちゃんはいつも和だけど、普段はそう見えない
ことの方が多いから。笑
翌朝から、さっそく投薬治療開始。
一応注射だから、和が学校に行ってる時間帯に
終わらせてしまった方がいいよね。ってことに
なって…
雅紀を仕事、和を学校へと送り出してから潤の部屋に
お邪魔する。
お寝坊さんは、まだまだ夢の中。笑
「じゅーん…？」
肩をトントン叩いたけど…
潤「ん〜…まだ…寝るの…」
不機嫌さん。笑
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作者名：空
| 作成日時：2018年9月6日 18時
