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2759.【5】 ページ9

[翔にぃside]

潤が若干パニックだけど
智にぃが「行っちゃっていいよ」って言って
くれたから。

「17時までには帰ってくるから。な?」

潤「…っ、んっ、や…」

掴んできた手を智にぃに託して、頭を撫でてから
玄関に向かう。

潤「…っ、…ょにぃ、や…」

智「じゅん…待ってようね」

潤「…っ、んくっ、や…」

追いかけてこれないように智にぃが潤の腕を
掴んでくれてるみたいなんだけど、玄関で靴を
履こうとしたら、リビングから切ない声が響いて
くる…

「しょ、にぃ…」って。

それでも無視して行くしかないのか…

振り返らずに玄関のドアノブを掴んだんだけど…

潤「…ょ、にぃ…や…」

智「じゅん…」

潤「や、だ、…やー…」

さっきまでの倍くらいの声量で潤が叫んで、
泣きじゃくるのが聞こえてきて。

駄目だ…さすがに可哀想すぎる。

慌てて戻ったら、潤が智にぃの手から逃れようと
玄関に背を向けるかたちでしゃがみ込んで、
必死になってて。

「離して…」「しょ…にぃ」って。

「ごめん、智にぃ。休むわ…」

智「…いいの?」

「ん。こうなったの俺のせいだし」

普段だったら潤は、こんな風には絶対泣かない。

それ程にストレス溜まって、心の負担が
大きかったんだと思うと…ね。

「ごめんな、無理矢理離そうとして」

潤「…っ、んっ、んくっ、…かない、で…」

「ん、行かない。どこにもいかないから。な?」

潤「んっ、…ん、んっ…」

智にぃが「よかったねぇ」って頭を撫でたら
コクコク頷きながらしがみ付いてくる。

「ごめんな…大丈夫だから」

潤「ん…んっ…んくっ…」

しばらく床に座ったまま、落ち着くまでギュッと
抱き締めて。

智「ホットティー飲むでしょ〜?」

「ありがと、智にぃ。飲もっか」

潤「…ん」

タイミングを見計らって、智にぃがソファーに
誘導してくれた。

潤「…っ、ずっ、と…」

「ん、いるよ」

ソファーに座って、まったりして…

膝の上にコテッと頭をのせてきたから、ゆっくり
撫でる。

自分で言うのもなんだけど、潤は昔っから
割と俺にくっ付いてくる奴だったから。

「翔にぃ、大好き」って。

照れくさいけど、それが嬉しくもあり。

だから、寂しい思いさせて悪かったなぁ…って
反省してるんだ…

潤「熱下がったら、勉強教えて欲しいとこある…」

「そっか。じゃあ、一緒にやろうな」

潤「…ん」

ギュギュっと腕の中へ。

たーっぷり甘えさせるから、早く元気になれよ〜

そんな願いを込める…

END

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作者名: | 作成日時:2017年11月17日 22時

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