2800.【5】 ページ50
［雅にぃside］
こんなに高い熱出したの
久しぶりかも…
とにかく怠いし、頭は痛いし。
翔「点滴しておこうか。ラクになるから」
「…ん」
もうね、どうにでもなれ…って感じ。
ラクにしてもらえるなら…と、身を捧げる。笑
翔「はは！両腕出されても、さすがに両方には
刺さねーよ？笑」
「…ふふ」
ラクにして…って気持ちを込めて両腕差し出したけど
点滴は片手だけだって。笑
翔にぃが「ほんとあちぃな…」って言いながら、
右手をそっと布団の中にしまってくれた。
点滴の準備をしながら「ごめんな」って。
もうね、何回も謝ってもらってるから…
「もう、いいの…ほんとに。もう、謝らないで？」
翔「ん、ごめん」
頭を優しく撫でてもらって、優しい笑顔で見つめて
もらえて、もう充分。
これ以上の幸せって、もういらないから…
翔「ちょっとだけ…」
「…ん」
翔「痛かったらごめんな…？」
「…ん、…んっ…」
翔「…おしまい」
点滴はあっという間に終わって「片付けてくるな？」
って、智にぃとバトンタッチ。
智「眠れそう…？」
「…ん、たぶん…」
智にぃはそっと胸元をさすりながら「いつもさ、
雅紀のことばかり叱ってしまってごめんね」って。
「いい、の…俺がお兄ちゃん、だから…」
智「んーん、そんなの関係ないの。ちゃんと見て
ないのに、決めつけてごめんね…」
ゆっくり、ゆっくり頭を撫でられて、痛かった頭が
いつの間にかラクになってる。
「…ん、んん…」
智「んふふ…寝れそうかな…」
目を合わせれば必ずニコッと微笑んでくれる智にぃ。
その存在に安心して、目を閉じた。
寝入りが良かったからね、結構眠れたと思う。
モゾモゾ…
「…ん…？」
背中側でモゾモゾ何かが動くのを感じて目を
覚ました。
「…かず？」
たぶんね、和。
背中に顔をスリスリしてくる感じと、キュッと服を
掴む手の感じ。
あ、和だな…って。
「…どうした、の？」
ゆっくりと背中に手を回して問い掛けたら…
和「…ごめ、んなさ、い…」
聞こえてきた今にも消えてしまいそうな和の声。
『和もさ、すごい反省してるよ…』
他の3人からも何度も聞いていたから、すぐに
何のことか結びついた。
「いいんだよ、かず。もう気にしてない」
和「…でも、風邪まで引かせちゃっ…」
「…いいの。おいで」
体の向きを変えてギュッと抱き締める。
点滴と沢山眠れたお陰で、体が少しラクになって
いたから…
「もう大丈夫」
しっかり伝えた。
END
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作者名：空
| 作成日時：2017年11月17日 22時
