2787.【4】 ページ37
［智にぃside］
寝ながらも、周りの声は
何となく聞こえていて…
まぁ、ほとんどが翔の声なんだけど。
自分も具合悪いのに双子の診察とかしてくれてるん
だろうな…と思うと申し訳なくて。
何かしら手伝えることはあるんだろうけども、
怠くてとても動く気にはなれない。
そうこうしているうちに眠ってしまったみたい。
バフッ…
「…っ、しょう？」
翔「あ…ごめん、起こした…？」
隣の布団から振動を感じて、ゆっくり目を開けたら
翔が倒れ込んでる。
掛け布団を掛ける余裕すらないみたいで仰向けに
バフッと。
「…ごめん、ね、任せちゃって…」
翔「ん、大丈夫。…具合はどう？」
「大分いいかも…翔、辛くない？」
翔「…大丈夫」
そんな目を逸らされて「…大丈夫」と言われても
ねぇ。笑
「少し休んで？診察以外のことは俺がやるから」
翔「…ん、ありがと…」
俺にできることって限られるから、どうしても
翔の負担が増えてしまう。
でもお陰で少しラクになったから、今度は代わら
ないとと思って。
「んふふ…もう寝てるや。笑」
目を閉じたと思ったら、あっという間に静かな
寝息が聞こえてきた。
額にそっと触れたら結構な体温が伝わってくる。
辛いはずだ…
「起きないでくれよ〜…笑」
体で押しつぶされた掛け布団を少しずつ引っ張り
出して、肩まで掛けてやる。
それから冷たい冷えピタもね。
みんなの冷えピタは交換してくれるくせに、自分
のは交換しないんだから…笑。
翔に手厚い看病をしてもらった後だからか、他の
3人は比較的落ち着いて眠ってる。
和だけは眉間にシワを寄せて「んん…」とか
「ん〜…」って時折唸ってるけど…
やっぱりどうしても一番重症化してしまうよね。
「ありがとね、翔。俺ももう少し寝かせてもらい
ます…」
翔「ん…んん…」
そっと話し掛けたらコテッと寝返りをうって、
少しだけ俺の方に寄ってきた。
「んふふ…ありがとね…」
背中を何度かさすってから、俺も眠りについた。
どれくらい眠っていたのかは分からないけど…
翔「…っ、んっ、ん…」
「…しょう？」
苦しそうな唸り声が聞こえて、隣の布団に目を
やると、翔がお腹の痛みに悶えてる。
「痛いね…」
翔「…っ、ん、ん…」
体は熱いし、汗もすごい…
翔「…ん、ん…トイ、レ…」
「立てる？…ゆっくりね…」
腹痛は辛いよね…
俺だって、何度翔に支えてもらってトイレに
いったか。
「…せーのっ…」
半ば抱えるようにして、トイレへと…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3215人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2017年11月17日 22時
