2783.【6】 ページ33
［智にぃside］
「いっぱい頑張ってくれて
ありがとね、雅紀…」
雅「…んっ、んくっ…」
翔「くはは、まーた泣いてる。笑」
都内から戻ってくる途中に連絡をもらって、病院に
直行した時には、もう和の挿管は外れていて。
ピッタリとくっ付けられたベッドで潤と手を繋いで
寝息を立てていた。
ソファーで翔に肩を抱かれていた雅紀に声を
掛けたら、目にはあっという間に涙が溜まって…
翔「さっき泣き止んだばっかだろ？笑」
雅「…っ、んっ…んくっ、…だって…」
「んふふ…えらかったね、ありがとね…」
どれだけ恐かったかと思うと可哀想だけど…
「雅紀のお陰だもん。本当にありがとう…」
雅「…っ、んくっ…さと、にぃ…」
「んふふ…」
泣きながら縋ってくる体をしっかりと抱きしめる。
翔も「ありがとな」って声を掛けながら頭を
撫でてくれてる。
2人で思いっきり甘やかしたら、すっかり元気に
なった雅紀は、目覚めた和にも「ありがとう」って
沢山御礼を言われて照れてる。
珍しく和がものすごい素直に「ありがとう」
「だいすき」って連呼するもんだから。笑
でもそれだけ、和も恐怖を感じたってことだし、
雅紀のお陰で助かったって思いが強いってこと
だなと…
大事をとって、和は一週間の入院。
「雅にぃ、まさにぃ」って甘えてる。
お陰で俺はソファーで仕事が捗ってる。笑
和「あ、隠して！早くー！！」
雅「え？あっ…笑。あひゃひゃ…」
翔「かーずー？」
和「んぅ…雅にぃが早く隠さないから…」
病室が急に騒がしくなったと思ったら、翔が様子を
見にきていて。
慌ててゲームを隠そうとしたけど、雅紀が出遅れた
みたい。
見つかっちゃってる…笑
翔「ゲームしないで寝てなさいって言ったよな？」
和「んぅ…」
翔「かず？聞いてるんだけど」
和「だって…つまんなかったんだもん…」
翔「つまらなかったら約束破るの？」
翔に睨まれた和は雅紀にくっ付いて「助けて」って
甘えた声を出してる。笑
雅「寝る前に1回だけだもん。ね？」
翔「ばか！お前が加担してどーすんだよ」
雅紀が庇ったけど、翔にポカッと頭を叩かれて。笑
そしたらすかさず和が「雅にぃのこと叩いたら
だめー！」って。
翔「はいはい…笑。仲がよろしいのは良いこと
だけど約束は守りなさい？」
雅「…はい」
和「むぅ…はぁい…」
渋々返事する和の頭を雅紀が「よしよし」って
撫でてあげて。
和「んふふ…」
よかったね、和。
ありがとね、雅紀。
END
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作者名：空
| 作成日時：2017年11月17日 22時
