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［翔にぃside］
雅紀は双子が生まれて
1年くらいかな、経った頃。
何かを感じたんだろうね「俺の居場所ないじゃん」
って泣いたことがあった。
確かに14年間、末っ子として育ってきて…
それがいきなり真ん中っ子だもん、戸惑うよね。
その時のことを雅紀が覚えているのかどうかは
分からないけれど…
雅「俺、今の自分の立場っていうの？真ん中っ子。
好きだよ」
潤「そうなんだ…」
雅「だってさ、智にぃとはほっこり話も出来るし
翔にぃは昔と変わらず相談にのってくれるし。
それにお前らと遊ぶのは楽しいし」
潤「ほんと…？」
雅「ん、ほんと。真ん中っ子でよかったなって
そう思ってるよ」
雅紀はきっぱり言い切って、それから潤の頭を
優しく撫でる。
潤「くふふ…」
雅「風邪治ったらまた遊ぼう。ね？」
潤「キャッチボール！」
雅「あひゃ！もちろんいいよ！」
後から潤から聞いた話なんだけど、雅紀は看病
しながらも、色々な話をしてくれたらしい。
双子が生まれる前のこと。
生まれた後のこと。
「末っ子から真ん中っ子に上手く順応できなくて
葛藤したこともあった」とも言っていたらしい。
「お兄ちゃんなのに、お前らに意地悪したことも
あるんだよ」って、ちょっと後悔してることも
話してくれたって。
でも、潤が「そんなの覚えてないから平気！」って
言ったんだって。
雅紀はその言葉にホッとしたんじゃないかなって
俺は勝手に思ってる。
［潤side］
雅にぃは、俺を看病してくれたこの数日間
ほんとに色んなことを話してくれた。
今まで俺らが質問しても「覚えてねーよ」って
はぐらかしていたこととか。
その中に何度も「お前らが可愛かったから」って
言葉。
嬉しかった。
大事に思ってくれてるんだなって…
「お父さんとお母さんが残してくれた宝物だから」
って言葉が嬉しくて、一人で泣きそうになったり
して。笑
「雅にぃってすごいね。俺、自分が真ん中っ子に
なったら、上手くやっていく自信ない」
雅「え〜…そんなことないでしょ。みんな順応
するよ」
俺の体調が良くなって、夕食の時間に話を
切り出したら、雅にぃは照れちゃった。笑
でも智にぃも翔にぃも「すごいよね」「えらい
もんな」って褒めて。
和も「ほんとすごい」って珍しく。笑
今回、色々と考えたけど…複雑なその立場を
楽しんでいる様にすら見える雅にぃを尊敬した。
俺は末っ子気質の甘えん坊だから、このまま
末っ子がいいなって密かに思ってるけど。笑
END
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作者名：空
| 作成日時：2017年11月17日 22時
