2765.【潤がモデルの仕事】 ページ15
［和side］
河原でフットサルを
楽しんでいたら、男の人が潤に声を掛けてきて。
「単発の仕事なんだけど、モデルの仕事しない？」
って。
友達はみんな「すげーじゃん！」「お前カッコイイ
もんな」って大盛り上がり。
だけど張本人が「モデルとか興味ねーもん」って。
潤の夢は医者一筋だもんね。
それでも男の人はなかなか引かなくって「イメージ
ぴったりなんだ。お願いできないかな？」って。
潤「ん〜…じゃあ、相談してみます」
男「ありがとう」
「んふふ…にぃ達何て言うかね」
潤「ね、どうだろ。翔にぃとか心配しそう。笑」
「…確かに。笑」
潤とそんな言葉を交わしていたら「ご両親より
お兄さんの方が心配しそうな感じ？」って、
不思議そうな男の人。
「んーん、違うの。俺らの両親もういないから」
潤「歳が離れた兄貴が3人います」
男の人は「そうなんだね」って優しい笑顔を
向けてから、潤に名刺を渡して去っていった。
家に帰って、潤が話を切り出したら俺らの予想は
的中して…
翔「なにそれ怪しくない？もう一回名刺見せて？」
雅「翔ちゃん、顔怖いよ。笑」
智「…んふふ」
和潤「…笑」
やっぱり翔にぃが一番心配して「怪しい」とか
「裏がありそう」とか言って疑ってる。
智「ホームページあるじゃん。見てみる？」
翔「うん、見る」
食い気味で笑っちゃう。
翔「なんなら事務所も見て確認してくるし」
智「んふふ…」
心配なんだよね、潤のことが。
にぃ達は親の責任も果たしてくれているし。
雅「潤はやってみたいの？モデルの仕事」
潤「ん〜…興味はないけど」
潤はしばらく考えてから「でも、せっかくの機会
だから経験してみるのはいいかなって思ってる」
って。
智「ん、そうだね。いい経験にはなりそう」
雅「経験したくてできるもんじゃないしね」
「潤なら絶対カッコいいし」
みんながそれぞれ肯定していく中、翔にぃは
「うーん…」って考え込んでる。
ホームページを念入りにチェックしてから発した
言葉が「もし、ほんとに引き受けるってことに
なったら、俺も付いて行くわ」だった。笑
潤「えー、そういうもん？なんかカッコ悪く
ない笑？」
翔「いや、危ないし」
真顔で「危ない」と言われたら、まぁ…ね。笑
みんな苦笑いだったけど、翔にぃが心配する
気持ちも分かるしね。
最後には潤も「じゃあ、一緒に行こっ」って
笑顔で。
事務所との、話が上手く進めばいいな〜って、
密かな楽しみができた。
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作者名：空
| 作成日時：2017年11月17日 22時
