2707.【2】 ページ7
［翔にぃside］
部屋に戻って
仕事をしていたら、ドンドンッて壁を叩く音。
明らかに隣の雅紀の部屋からで…
夜中にこんなの絶対おかしいから、駆け付ける。
部屋に入ってすぐ電気をつけたら、ベッドの上には
悶絶する雅紀がいて…
「…どした？苦しい？」
雅「…っ、…っ…」
薄っすら目を開けて、小さく一度だけ頷いて…
「まさ！！」
意識を失った。
微かに聞こえてきた喘鳴。
チアノーゼ起こしちゃってるから、救急車
呼ばなきゃ…
頭の中、混乱してたら「どうした…？」って
智にぃ来てくれて。
よかった…一安心だ。
状況を説明しながら、とにかく雅紀の処置を
進めていかないと。
その間に智にぃが救急車を呼んだり、双子を
起こしたりしてくれて。
和「…っ、まさにぃ…」
潤「…どうした、の…？」
心配して寄ってきた双子に、雅紀への声掛けを
お願いする。
反応できる状態ではないけど、聴こえてはいると
信じたいから…
智「翔、付いてってあげて？」
「いいの？」
智「お願い。双子連れて車で行くから」
「ありがと…」
救急車に乗せてもらう。
救急隊の人達が処置をしてくれている間、雅紀の
手を握って声を掛け続ける。
早く笑った顔が見たい…
「まさき…」
雅「…」
救急車の中で処置をしてもらったら容態が
落ち着いて、挿管は免れたからよかったものの
一歩間違えば大事になっていたな…と。
病院の処置室でも「喘息の持病がなくても、
変な咳が出た時点で、受診するように伝えて。笑」
って、先輩医師に苦笑いされ。
「すみません…よく言い聞かせておきます」って
俺も苦笑いして頭を下げるしかなかった。
まったく、あいつは…笑
目覚めたら説教してやる！
病院に来てくれた智にぃと双子とも、そんな
話をしていたら、最後には笑うこともできて。
終始、不安そうな表情をしていた和も
「雅にぃ可哀想〜。笑」って。
こうして笑うことが出来るのも、雅紀が危険な
状態を脱することが出来たからだよね。
救急隊の人にも、病院のスタッフにも感謝。
翌朝…
和潤「雅にぃ起きた〜？？」
智「おはよ〜」
面会時間と同時に駆け込んできた双子と、
その後ろを優しい笑顔を浮かべながら歩いてきた
智にぃ。
ベッドの雅紀は小さく笑みを浮かべる。
「まだ喋ると苦しくなるけど、落ち着いたよな？」
雅「…ん」
声を出さずにコクッと頷いた雅紀を見て、
和と潤は満面の笑み。
雅「…んふふ」
それを見た雅紀も笑った。
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作者名：空
| 作成日時：2017年10月3日 22時
