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［翔にぃside］
和の気持ちがいつもより
落ち込んでいたから、今日は念のために仕事を
休んだ。
診察でグズグズされても、和のペースに合わせ
られるしと思って。
和「んん〜…」
智「あっ…笑」
智にぃに抱えてもらって聴診してたんだけど、
嫌がって逃げようと体を捩っちゃって。
そしたら智にぃの膝からコロッと布団に…笑
智にぃは優しく笑いながら「ごめん…笑」って
俺に謝ってきた。
和は布団に潜ろうとしてモゾモゾ。
「まだ終わってないだろ？笑」
和「んん〜…」
ちょっと無理矢理に診察を進めたらポロポロと
泣き出してしまって。
いつもよりメンタルがね…
「どうせ学校行けないもん…」って。
智「そんな泣かないよ、かず。朝ごはん食べよ？」
和「…っ、んっ、んくっ…」
智にぃがタオルでポンポン涙を拭いてあげて、
手を引いて起こしたら素直にソファーまで
歩いてくれた。
智「ほら、メロンパンとクリームパン。今朝ね、
翔が焼き立て買ってきてくれたんだよ？」
和「…」
智「どっちも美味しそうだから…ね。」
右手にクリームパン、左手にメロンパン。
和は思わず「…んふふ」って。
和「かぼちゃ、半分になっちゃったね…笑」
智「あ、ほんとだ。笑」
「もう…笑。可愛いからせっかく買ってきたのに」
智「ごめ〜ん…」
和「…んふふ」
クリームパンはね、ハロウィン限定でカボチャの
形してて、目と鼻と口も焼きスタンプだったの。
なのに智にぃったら、和に見せる前に半分に
千切っちゃうから。笑
でも、そのお陰で和の顔に笑顔が…
「美味いだろ？」
和「…ん、おいし…」
まだ少し熱があるけど、薬のお陰で37℃台までは
下げれてる。
智「ふふ…寝ちゃったね。笑」
「こんなとこで…笑」
ちょっと目を離した隙に、庭を見ながら転がってて
そのまま寝てしまったみたい。
タオルケットを掛けて、その傍に智にぃとそっと
座る。
智「これからも沢山、葛藤するんだろうな…」
お日様を浴びながら、猫みたいに丸くなった和に
優しく触れながら智にぃが一言。
「ん、そうだね…」
頬を涙が零れた跡がある…
そっと指で拭って、フワフワの髪の毛に触れる。
周りの空気を誰よりも敏感に感じとるのが和で。
でもそれを、そう見せないように隠そうと
するのも和で。
智「いつまでも守ってやりてぇな…」
「…ん」
『みんなできるのに…』
この先もきっと感じるんだろうな…と思う。
でも、乗り越えるだけの力を和はもってるよ。
END
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作者名：空
| 作成日時：2017年10月3日 22時
