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［智にぃside］
翌朝、面会に行ったら
雅紀はすでに起きていて「おはよう」って
笑顔を向けてくれた。
その笑顔のお陰で双子も笑顔になって。
和「なんでも手伝うから」
潤「遠慮しないで言ってね？」
雅「あひゃ！頼もしい。ありがとう」
怪我で不自由だったり、痛みがあったりするだろう
けど俺らの前では笑顔でいることが多くて。
無理してるのかな…って翔と話してみたりしたけど
『早く仕事復帰したいんだ』って、雅紀の言葉と
笑顔に嘘はないって分かったから。
翔「無理して動きすぎるなよ？」
雅「ん、気を付けます！」
腕を固定した状態で、簡単な業務から復帰する
らしくて。
「もう少し休めばいいのにー」って甘える双子に
「いつまでも迷惑掛けられないし、動物達に
早く会いたいから」って。
「よし、行こっか」
雅「あひゃ！楽しみー」
腕の怪我が治るまでは、基本俺が送り迎え担当。
車の中でも「あー、早く会いたい！」って
落ち着かないくらいで。笑
楽しいところに行く子どもみたいに。
それが2日後には車に乗った途端に溜め息ばかり
漏れるようになって。
本人は自覚なしみたいで、職場に到着すると
「いってくるね…」って無理矢理な笑顔を
浮かべて車を降りて行くんだけど…
翔「思うように動けなくて、逆に負担なのかな…」
「そうかもしれないね…」
できる仕事が限られるから、少なからず迷惑も
掛かるし、それを気にしてるのかなって。
「ちょっと時間作ってみる？」
翔「その方がいいかも。雅紀は話したがらないかも
しれないけど…」
「そうだね、嫌がるかな…」
あんまり自分のこと話したがらないからね…
でもこのままじゃ、無理し過ぎて完治が遅れて
しまったり、心がパンクしたり…色々ありそう
だし。
SOSを出していることは確実だから、何とかして
やりたいなって。
「雅紀、ちょっと呑まない？」
双子が眠ってから、部屋にいる雅紀に声を
掛けてみたんだけど…
雅「疲れたから…今日はいいかな」
雅紀の顔が引きつる…
でも想定内だからね。
「今日ね、刺身安くて買ってきたの。翔と2人だと
食べきれないし、少しだけ。ね？」
雅「…んん」
ベッドに座っている雅紀の腕を引いても尚、
ちょっと渋って。
余程話したくないのかもしれないけど…
「翔も待ってるからリビングいこ？」
雅「…ん」
顔を覗き込んで、もう一度腕を引いたら素直に
立ち上がった。
少しでも力になりたい。
悩んでること伝えて…？
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作者名：空
| 作成日時：2017年10月3日 22時
