2719.【2】 ページ19
［雅にぃside］
なんなの、あいつ。
あー、マジでムカつく。笑
俺のことなめやがってさ。
イライラがおさまらないままだけど、仕事は
行かなきゃいけないし。
まぁ、いいや…和のことは智にぃに任せよう。
そう思っていたのに…
朝食を済ませて歯を磨きにいこうとしたら
智にぃに「まさき？」って声を掛けられて。
「なに？」
和「…めんなさ、い…」
智にぃに促された和が謝ってきた。
でも、イライラおさまってないし…自分の中で
何かモヤモヤ残ってるし、ムカつくし。
心の中では『許さなきゃ』って思ってるのに、
口から出た言葉は「もう知らないって」「好きに
すりゃいいじゃん」で…
和がシュン…としたのが分かった。
でもさ、だって…俺だって悔しいんだもん。
いつもじゃないけど、こうやって八つ当たりされて
言うこと聞いてもらえなくって。
『翔にぃなら見抜くもん』って和の言葉に
傷付くなんて情けないけどさ…傷付くよ。
翔にぃみたいにしっかり診察してやれないし、
和の変化に気が付けないこともある。
そんなの俺が一番よく分かってるよ。
それを負い目に感じることだってある。
いや、分かってるんだよ？
和の憎まれ口だってことは。
だから『憎まれ口たたいて可愛いやつ』って
片付けられれば良いんだろうけど。
俺はそんな大人じゃない…
［和side］
雅にぃに酷いこと言っちゃった…
謝ったけど許してくれない。
いつも勢いで言っちゃって、言った後で反省。
毎回こんなんだもん、いい加減呆れられたん
だよね…
もう数日、雅にぃとまともに口を聞いてない。
「はぁ…あらし、どうしよう…」
「クゥーン…」
「んふふ…分からないよね、あらしにはね」
和室でゴロゴロしながら、あらしに相談したら
悲しそうな声を出してくる。
あらしにはさ、俺の気持ちが分かるから。
俺が悲しそうにすると、あらしにも伝わるんだ。
智「かずー？薬飲んだ？」
「んーん、まだ」
智「おいで？こっちで飲みな」
「はぁーい…」
今回、智にぃも翔にぃも俺のこと叱らなかった。
「早く仲直りしなさい」とか「謝りなさい」とかも
言わない。
見守ってくれてるのかな…って。
潤「かずー、風呂入ろー？？」
「うん」
それは潤も一緒。
「まだ仲直りしねーの？」とも「意地っ張り」とも
言わない。
俺のがお兄ちゃんなのに、弟に見守られてるって
ダサくない？笑
『はぁ…どうやって仲直りしようか…』
神様…素直になれる力を下さい。笑
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作者名：空
| 作成日時：2017年10月3日 22時
