2711.【3】 ページ11
［翔にぃside］
怖い夢に、分離不安…
潤の心は限界になったんだろね。
潤「…っ、んくっ、んっ…」
「泣かなくて大丈夫だから…」
夜中に泣き出したと思ったら、それだけでは
なくて。
幼児退行の症状が出ていた。
心配で一緒に寝たのが、正解だったな…と思って。
不安がってる時は傍にいてやりたいからね…
潤「…っ、んっ…だっこ…」
「ん、おいで」
ベッドに座って、後ろから抱きしめるようにする。
「ここにいるよ…」
潤「…っ、んっ…」
満足したみたいで、ヒックヒックと忙しなく
胸を動かしながらも、眠りに落ちた。
熟睡したのを見計らって、少しずつ体をずらして
俺も寝転ぶ。
腕枕をしてやったら、寝ながらギューッと
抱きついてきた。
いっぱいいっぱい不安なんだろうな…と思う。
色んなもの背負っているんだろうな…と。
「傍にいるから…乗り越えような」
頭を撫でながら俺も眠りにつく。
翌朝は一足先に起きて、智にぃに状況を説明。
そしたら「安心させてあげようね」って。
潤が起きる前に部屋に戻って、隣に潜り込む。
潤「…ん、んぅ…」
「はは！いるよ」
途端にギューッとくっ付いてくる可愛い奴。
まだ寝てるくせに。笑
［智にぃside］
翔と潤が部屋から出てくる前に、雅紀と和に
潤が幼児退行したことを伝えておく。
2人とも「やっぱりかなり辛かったんだね…」って
顔を曇らせていたけれど「乗り越えられるまで
寄り添う」って言ってくれた。
「あ、起きてきたかな？おはようー」
潤「んふふ…さとにぃ、おはよ〜」
いつもよりフワフワッとした潤が、翔に手を
引かれてリビングにやってきた。
俺らに挨拶した後「顔洗ってくるぞ」って
翔に連れられて洗面所に行ったのに…
潤「…っ、んくっ、や…、やぁ…」
翔「ごめんな？笑」
戻ってきた潤は半ベソで、翔が苦笑いしながら
謝ってる。
「バシャバシャッてこわい」って言われたけど、
ちょっと強引に顔を洗わせようとしたらしい。
翔らしいや。笑
翔「タオルで拭いてやるから。な？泣くな」
潤「…っ、んっ…んくっ…」
ちゃんと最後までフォローするところも
さすが翔だけどね。
結局、ホットタオルで顔を拭いたら「きもちいい」
って機嫌が良くなって、みんなで朝食。
潤「ふりかけごはん♪」
「スプーンにする？」
潤「んーん。あー…」
「…んふふ」
雛鳥みたいに大きい口あけて。笑
食べさせてもらう気満々。
結局、自分では一口も食べなかった。
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作者名：空
| 作成日時：2017年10月3日 22時
