2633.【5】 ページ33
［翔にぃside］
今回の雅紀は、体調が悪くて
機嫌も悪くて…
まるで和を看病している時みたいだ。笑
「何にも飲まない、食べないはなし」
雅「…っ、や…、いらな…」
「だめ」
雅「…っ、んっ、…ん〜…」
飲み物も食べ物も嫌がって拒否。
「少しでいいから。な？一口だけ」
雅「…ん、ん〜…いらな…」
視線はずっと智にぃのまま。笑
いくら言っても駄目だから、少しだけ離れて
もらったんだ。
結局、俺が近くにいっても駄目だったけど。
和より頑固かもしれない。笑
「もういいや。また後でにする。これいい？」
智「ん、了解」
用意してあった座薬を指差したら、智にぃは
すぐにベッドサイドに寄ってきてくれた。
「雅紀？熱、まだ高いから座薬入れような」
雅「…っ、ん…、さと、にぃ…」
「分かってるよ。笑」
ここまでキッパリ拒否られると笑えてくる。
智「力抜いててね…すぐ済むからねぇ〜」
雅「ん、んん…」
座薬を入れるのは嫌がらないからいいんだけど…
雅「…っ、んくっ…や…やぁだ…」
「音だけ聴かせて…」
雅「…っ、んっ…ん〜…」
診察はさせてくれなくって大変で。
和室の入り口で、双子も心配そうにしてる。
［智にぃside］
翔は、どんなに雅紀に拒否られようとも医者として
やらなきゃいけないことはキチッとやる。
俺でも大丈夫なことは、全部託してくれて。
雅紀の傍を離れずに俺と一緒に看病を続けて
ずっと優しい笑顔を向けている。
「そのうち大丈夫になるっしょ」が口癖で。笑
えらいな…と思う。
翔「顔横に向けてあげて…」
雅「…っ、んっ…おぇっ…」
嘔吐してしまってもすぐに対処してくれるから
俺も安心だし。
雅「…っ、まだ出る…んっ、…おぇっ…」
「大丈夫、だいじょうぶ…」
翔「口濯ごっか。気持ち悪いもんな」
雅「…ん」
多分ね、雅紀も安心を感じたんだと思う。
翔が差し出してくれた水を口に含んで
うがいすることが出来た。
それをきっかけに…
翔「胸、まだ痛い？」
雅「…ん」
翔「少し触ってもいい？」
雅「…ん、少しね…」
翔の診察も受けられるようになって。
翔「智にぃ…見て？笑」
「んふふ…もう大丈夫だね」
翔の手を握りながら眠りに落ちた雅紀。
まだちょっと甘えん坊癖と我儘は残っていて
「ここが痛い」だの「いかないで」だの
言っていたけれど。笑
翔にもしっかり甘えられるようになった。
「辛抱強くてえらかったね」
翔「ん、ありがと…」
END
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作者名：空
| 作成日時：2017年7月13日 21時
