2615.【4】 ページ15
［翔にぃside］
やばい…
先「お前はほんとに、自分の限界とか
分かんねーんだな。笑」
「…っ、痛っ」
様子を見にきた先輩に頭を小突かれ…
智「帰るよ。翔の車は置いてくからね」
「…はい」
さすがにね、こう何度も倒れると。笑
でも素直に『ごめんなさい』は言えなくて
車の中も重苦しい空気。
帰宅してすぐ部屋に籠って、夕食の時間まで
ベッドで大人しくしていた。
そしたら雅紀が呼びに来て。
てっきりご飯かと思って、のこのこと付いて
行ったら…
智「そこ、座って」
「なんで…」
智「俺がいくら言っても聞かないから」
「…」
ソファーには4人が揃っていて…
智「早く座って」
「…」
この人、怒らせたらいけない人だったな…って
思い出した。笑
和「俺と潤の隣でもいいよ？」
潤「ここ座る？」
双子に助けられるという情けなさ。笑
和と潤も、連日の俺の無理に気が付いて
心配してくれていたんだろうね。
腕にキュッと絡まってきて可愛い。
智「みんな心配してるんだよ？」
「…はい」
智「翔は自分の限界は分かるって言ったけど
こうして何度も倒れてたら…到底分かっているとは
思えないんだけど」
「…ん」
智「まぁ、いいや。俺の気持ちは散々伝えたし、
今日は翔に考えてもらおうと思ってるから」
「…はい」
智にぃはそれだけ言うと立ち上がってキッチンへ。
もうね、伝わってくる…
心配そうに瞳を潤ませる双子と、雅紀に
さっきから見つめられているから。笑
「…」
雅「やりたいこと、やらなきゃいけないこと
いっぱいあって大変？」
「…ん、それなりに…」
雅「…そっか」
「ん、でも…」
雅「でも？」
「ちゃんとセーブするから」
雅「あひゃ！分かってんじゃん。何でそれを
智にぃには伝えないの？」
「…」
雅「一番心配してくれてるのは智にぃなのに」
「…だよな、ごめん…」
雅紀にやられた。笑
雅「俺らももちろん心配するけど、でも所詮はさ
弟だから。兄として心配できるのは智にぃ
だけだから」
「…」
雅「いっぱい心配してるんだよ？」
「…ん、分かる」
俯いたら、両側から掴まってくる双子の力が
キュッと強くなる。
和「もう倒れたりしないで…？」
潤「翔にぃには、元気でいて欲しいから…」
「ん、分かった。ごめん…」
今回は智にぃの作戦に負けた。
意地張っていることがバカらしく思えたし。笑
あとで智にぃと2人きりになったら
『ごめんね、ありがとう』って、ちゃんと
伝えようと思うよ。
END
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作者名：空
| 作成日時：2017年7月13日 21時
