2614.【3】 ページ14
［智にぃside］
ここのところ、
翔は素直じゃない。
可愛くない。笑
言い返してくるから本気で叱ったらビクッと
してるけど…
すぐに目を逸らして不貞腐れた顔してる。
「何が納得できないの？」
翔「…」
「体、大事にできない？」
翔「…できるよ」
「じゃあ、もう倒れないようにしてね？」
翔「それは約束できない」
翔は俯いたまま「無理してるつもりは
ないから」って。
「だから、その時は俺とか先生がセーブ
かけるから。言われたら言うこと聞けば、倒れる
までにはならないだろ？」
翔「そんなの嫌だよ。だって、俺の限界は
俺が一番分かるもん」
「分かってないから、倒れるんだろ？」
翔「そういうわけじゃない！！」
珍しくすげー、突っかかってくるんだよな…
言い合いになってしまったから、それ以上は
何も言わなかった。
結局、別々の車で帰宅。
翔「…」
「…」
2人の時は、必要なこと以外は言葉を交わさない。
和「今日ね、学校でね…？」
だけど弟達の前では、極力いつも通りを装う。
それは翔と決めたわけじゃないけど、自然と
そうしてること。
雅「すげーじゃん。楽しそう」
「んふふ…ほんとだね、いいね」
潤「次は俺もやるんだ〜」
翔「はは！気を付けろよ」
潤「うんっ！」
だけど、弟たちも何かを感じているんだろうね。
少なからず気を遣わせてしまっている気がする。
それでも翔はなかなか負のループから
抜け出そうとしなくて。
無理を繰り返してる…
「ねぇ、顔色悪いよ？大丈夫なの？」
翔「ん、平気。…いってきます」
俺もついつい心配が勝って声を掛けてしまうん
だよね…
翔がウザったがっているのは分かっているんだ
けども。
そんな時、また先生から電話。
『熱が高くて意識朦朧としてるから
迎えにきて欲しい』って。
コンコンコン…
指定された処置室をノックすれば、先生が
「困ったね…笑」って苦笑いしながら
ドアを開けてくれた。
ベッドに寝かされた翔は、点滴されて
荒い呼吸。
苦しそうに胸が大きく上下してる…
先「意地張っちゃってね。笑」
「ほんとですよ…全然言う事聞いてくれなくて
手に負えません。笑」
こうして苦しい思いをして欲しくないから
言ってるのに…
翔にとっては、ただただ…うるさい言葉でしか
ないのかなって、ちょっと悲しくなる。
「どうしてやるべきなんですかね…」
先「見捨てないでやってくれ。笑」
うーん…
でも、俺…役に立てるのかな。
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作者名：空
| 作成日時：2017年7月13日 21時
