2509.【5人の力で…】 ページ9
［和side］
…はぁ〜…
明日に迫った定期検査。
例の検査もあるし、痛い検査も、苦手な検査も…
カレンダーが目に入る度に溜め息しか出ない。
翔「学校どうする？」
「…やめとく」
昨日は何とか行けた。
でも今日はさすがにそんな気分にはなれなくて。
翔にぃは昨日から休みをとって俺の傍に
居られるようにしてくれている。
検査が嫌な気持ちがもちろん一番なんだけど、
結果が悪くなっていたらどうしよう…って
不安な気持ちも大きい。
恐さを含めた色んな気持ちのまま検査当日を
迎えてしまったから…
智「大丈夫だよ、だいじょうぶ…」
「…っ、…や、いや、だ…」
雅「がんばれ…」
「ぎゃー」
朝イチの例の検査でパニック起こして、意識も
飛ばして失禁。
その後の検査も「痛い」って泣いてしまったし、
恐くてパニックを起こしかけたりして、にぃ達には
散々迷惑を掛けた。
先「頑張ったね、和くん」
カ「お疲れさま。ゆっくり休んでね」
もちろん、傍にいてくれたこの2人にも…
「…りがとう、ございました…」
それでも終わりは終わり。
にぃ達に支えてもらいながら帰宅できて、
安心して眠りに落ちた。
［翔にぃside］
定期検査はどうしても負担が大きい。
こんなに頑張らせたのに、望むような結果に
ならないことの方が多いし。
でも、今回は違ったんだ…
「ほら、かず。見てみ？」
和「ここの数字？こんなに上がってるの？」
「そうだよ。それからここも」
和「すごい…」
今までにないくらいの改善が見られて、数値も
ビックリするくらい安定してた。
嬉し過ぎて、思わず和のことを思いっきり
褒めて抱き締める。
だって、和の頑張りがここまでハッキリと
結果に比例されたのは初めてだったから。
雅「すげ〜じゃん、かず」
潤「頑張った甲斐があったね」
和「んふふ…やったぁ〜」
喜んで褒める俺らを見て、はにかんだ笑顔を
向けた和は「ハンバーグでお祝いしてくれる？」
って呟いた。
智「ふふ…いいよ。ハンバーグ作ろうね」
もちろん智にぃも大喜びで。
和が検査の結果が出ることに不安を抱いていた
ことも知っていたから、余計嬉しくて。
「頑張れて偉かったな」「これからもっと
良くなるかもしれないな」って期待をもたせる
ようなことばかり言ってしまった。
病気は一進一退だってこと、分かっているつもり
だったのに…
俺らに褒められて、喜ばれて「やったぁ〜」って
笑顔の和。
まさか発作を起こすとは思いもしなかった…
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作者名：空
| 作成日時：2017年5月4日 13時
