2543.【末っ子の腸炎】 ページ43
［潤side］
…はぁ〜…
トイレから出て溜め息。
昨日からお腹の調子が悪い。
でも普通にお腹壊した時の感じじゃなくって、
いつもと違う感じがしてる…
だけど兄貴達にはなかなか言い出せないし、
病院に連れて行かれたら、何されるんだろう…って
恐怖心もあって。
いいや、とりあえず寝ちゃお…
寝て起きて治ってたら嬉しいな…なんて
都合の良いこと考えて、その日も言い出せず。
3日目になって、いよいよ心配の方が勝って…
トントントン…
和「誰？なにー？」
「…俺」
和の部屋を訪れた。
和なら似たような症状、経験したことあるんじゃ
ないかと思って。
和「そんな続いてるなら相談した方がいいよ、
放っておいても治らないから」
「…やっぱり？」
和「ん。どんな病気でも、酷くなると治療も辛く
なるから」
「…」
最適なアドバイスをくれた和に感謝しつつ
部屋を出る。
検査とか治療のことも聞こうとしたけど
「症状とかにもよって違ってくるから、俺からは
言えない」って言われて。
和なりに、これ以上、俺の恐怖心を高めないように
気を遣ってくれたんだろうね。
その足で翔にぃの元へ。
トントントン…
翔「どうぞー」
病院の診察室みたいな対応。笑
翔「お、どした？…勉強？」
「んーん…」
クルッと振り向いた翔にぃは、俺の尊敬する人。
話そうと思ったけど、恥ずかしさもあって
首を振って俯くのが精一杯…
翔「とりあえず座るか」
「…ん」
ベッドに座ったら「…どうした？」ってもう一度。
翔「…腹、いてーの？」
「…っ、えっ…？」
黙っていたのに分かるなんて凄い。
そう思ったのに「その手。笑」って笑われて
気付く。
無意識にお腹に手を当てていたみたい。
そこからの翔にぃの行動は早くって。
翔「ベッド寝転んで」
「でも…」
翔「いいから。心配で来たんだろ？」
「ちょっと触らせて？」ってお腹を触られて
気になる症状なんかを聞かれて。
丁寧に聴診もされた…
翔「病院まだ間に合うから。な？」
「やだ…」
翔「やだって…笑。和じゃないんだから」
「やだよ、だって何される…？」
怯える俺に苦笑いの翔にぃ。
「やだ…こわい…」
だけど、本気で嫌がる俺を見て「病院に連絡
とってみるから待ってろ」「俺が診てやれるかも
しれないから」って。
病院に行かなくていいなら、その方がいい。
翔「そのかわり、もし駄目だったら病院な？」
「…ん」
頷いた俺の頭に翔にぃの大きな手が触れる。
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作者名：空
| 作成日時：2017年5月4日 13時
