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［潤side］
和「やーだ…
春亮と行きたい…」
翔「春亮さんだと、お前言うこと聞かないから
駄目」
和「ん〜…じゃあ、行かないもん…」
昨日のリハビリで我儘が過ぎて、翔にぃにキツく
叱られ泣かされたらしく。笑
「やらない」とか「できない」なら翔にぃは
叱ったりしないんだけどね。
和はそれ以上のことをやらかすから。笑
和「ちゃんと、するもん…」
でも、昨日のことは反省しているらしい。
翔「昨日みたいなことしないってことだな？」
和「…ん」
翔「約束だからな？」
和「…ん、はい」
「よしよし。笑」って頭を撫でた翔にぃは
「潤さ、付いてってやってくれる？」って。
和の希望通り、春亮さんに迎えに来てもらって。
翔「手かかると思うけど、頼みます。笑」
春「はい」
なんだかんだ言ったって、翔にぃは和のことを
信じてあげてる。
それで和もそれを分かってる。
リ「今日はここまで頑張りましょう」
和「できるかな…」
春「できますよ。見てますね」
歩行棒に掴まって歩く練習を経て、今度は
片手だけ手すりに掴まって歩く練習。
リハビリを重ねる度に、足取りもしっかりして
きたし、何より表情も柔らかくなった。
翔「おぉ！すげーじゃん。よしよし…」
和「くふふ…」
春「よかったですね」
リハビリを終えてその成果を翔にぃに見せて。
翔にぃは和を抱き締めて、大袈裟なくらいに
褒めてあげてる。
ほんとは翔にぃだって厳しくしたくないもんね。
リハビリはそれなりに順調。
ただ、手先の運動は当初からリハビリ師さんとは
やりたがらなくて、食事の時間を含め翔にぃが
担当してる。
リハビリ師さんに教えてもらいながらね。
和「なにこれ…」
雅「高野豆腐だよ」
和「いらない」
メニューがちょっとだけリハビリ寄り。
スポンジを箸で掴むリハビリ段階の時は
こうして高野豆腐とか厚揚げなんかが出たりして。
もう少しレベルが上がると、こんにゃくとか
豆とかも出てくるらしい。
翔「食べる前からいらないは、なし」
和「んぅ…」
食べたくない物とか、リハビリが嫌になると
箸でツンツンして…子どもみたいに駄々を捏ねる。
翔「こーら。行儀悪い」
それでも少しずつは回復してるし、和なりに
頑張っているから。
それに何より嬉しいのは『和』っていう存在が
目の前に居てくれること。
怒ったり、笑ったり、泣いたり…
何をしていても存在自体に有難いと思える。
それは和を大切に思う人みんな、思ってるよ。
END
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作者名：空
| 作成日時：2017年5月4日 13時
