5人で生きてゆく…part51 (ページ15)

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［智にぃside］

抱っこをせがまれた雅紀は
一瞬顔を曇らせて俺を見たから「望むように
してやろう」って伝える。

そしたら頷いて「おいで」って抱き上げてくれた。

雅「コアラみたい。笑」

ギュッとしがみ付いて、支えなくても
落ちそうにない。笑

小柄な和が、さらに小柄に見える。

リクエストした物を食べさせながら、おしゃべり
を楽しんでいたら翔が帰宅。

「ただいま」って言いながら視診してくれる。

「ちょっといってくるね。和のことお願い」

雅「ん、任せて」

自室に着替えにいった翔にくっ付いていって
ベッドに腰掛けさせてもらって話しをする。

「ご飯も自分で食べてるし、そこまで幼くは
ないかも。3.4歳かな」

翔「そっか。原因なんだろうね…」

「なんだろ…」

検討もつかない。

せめて原因が分かればね、フォローのしようも
あるんだけど…

しばらく翔と2人で話をしてから、和の元へ。

翔「体調が悪いって感じでもなさそうだね。
もう少し時間経ってから診察するわ。泣かれるの
嫌だし。笑」

「そうだね。じゃあ、ご飯の準備しちゃうね」

翔「やった～、腹減った～」

「んふふ…」

俺らのやり取りを大人しく見つめている和。

情緒は安定しているみたい。

［潤side］

昼過ぎに翔にぃからLINEで『情緒も安定して、
体調も問題なかったから大丈夫』って
連絡がきてホッとする。

幼児退行してしまった原因は分からずの
ままだったんだけど、帰り際に担任の先生に
職員室に呼ばれて、和の体調のことを聞かれて。

担任の先生によると、2.3週間前に校庭の隅に
和がポツン…と座ってて気になって声を掛けた
んだって。

そしたら「悩みくらいあるよ。笑」「だけど
上手く相談なんてできねーし」って言っていたと。

かなり茶化していたけれど、和のほんとの
苦しさが伝わってきて気になっていたんだと…

もちろん担任の先生には『幼児退行』のことは
伝えていない。

だけど「体調が悪くなったのには、もしかしたら
悩みも関係しているんじゃないかと思って」って。

担「一応ね、伝えておきたかったから…」

「そうかもしれないです。ありがとうございます」

和って、自分の苦しさとか気持ちとか相手に伝える
のが苦手だから。

いや、それをしたがらないのかな。

だから誰に対しても敬語を遣わずラフな感じで
関わりを求めていく。

深刻な話になりそうな時に、笑って茶化す為に。

「冗談だよ」「バカじゃねーの。笑」って
バリアを張る為にね。