5人で生きてゆく…part50 (ページ41)

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［和side］

あらしが風邪を
引くなんて初めてだから、心配で…

雅「ただいま～」

動物病院から帰ってくるのを、玄関でずっと
待ってた。笑

「…注射、してない？」

雅「ん…してないよ、大丈夫。お利口さんに
してて、優しくしてもらってたよ」

「んふふ…よかった」

雅「薬もらってきたから大丈夫だからね」

「よかった…」

バッグごとあらしを受け取って、リビングに
連れていく。

いつもより元気なさそうに見えるあらしは、
ソファーに寝転がった俺のお腹の上で丸くなる。

「もっと早くに気が付いてやれなくてごめんな…」

きっと今朝の散歩も辛かったんだろうなって。

河原の方まで引っ張って行ってしまって
はしゃぎ過ぎたことを反省する。

雅にぃみたいに、小さな変化にも気が付いて
あげられるようになりたい…

「あらし、風邪引いちゃったんでしょ…？
どこがいつもと違う？」

雅「ん～っとねぇ…」

ソファー下のラグに座った雅にぃが、お腹の上の
あらしに優しく触れながら色々教えてくれる。

呼吸の仕方とか…全然分からないけど、言われて
みると確かにいつもと違うなって気が付く。

「雅にぃすごいね…」って素直に伝えたら「全然。
獣医さんじゃないから、ちゃんとしたことは
分からないし」って言われたけど。

でも、すごいよ。

［雅にぃside］

あらしのご飯はいつもより少なめに用意する。

和「飲んでくれるかな…」

「バレなきゃいいけど…笑」

ドックフードに錠剤を隠して、あらしの前に
差し出す。

食欲ある時でガツガツ食べてくれれば錠剤に
気が付かないと思うんだけど…

和「やっぱり全然、食べないね…」

「食欲ないね」

ペロペロと表面を舐めながら、たまにパクっと。

だけど和が心配しているのが分かるのか
時間をかけてだけど、完食してくれた。

和「んふふ…綺麗に残したね。笑」

「だね。笑」

お皿に残ったのは錠剤だけ。

やっぱりパクッとはいってくれなかったか。

潤が「くはは！和みたいだな」って
からかって、和が「むぅ…」って膨れる。笑

和「具合悪くて辛いのに、無理矢理は
嫌だな…」

「ん、そうだね…」

その気持ちはとっても良く分かる。

こっちが工夫して試行錯誤して…
どうしても飲まなかったら、最終手段で無理矢理に
飲ませるのは仕方ないのかもしれないけど。

「色々やってみよっか」

和「…ん、手伝う」

職場でもやっている方法、試してみようと思う。

これ以上、和もあらしも辛い思いをしない様に。