2488.【4】 ページ38
［雅にぃside］
翔にぃがいれば
眠れてはいたから、きちんと睡眠をとれた翌日は
学校へも行けた。
だけど不安と心配は積もっていく一方だから…
潤「まだ帰ってこない…？」
「今日はちょっと遅いって言ってたね」
潤「…ん」
当直はシフトから抜かしてもらった翔にぃ
だけど、今日は「22時過ぎちゃう」って
連絡があった。
もちろん潤にも伝えたけど、夕食後から頻繁に
時計を確認して、不安そうな表情。
和「じゅ〜ん、一緒にお風呂入ろう？」
潤「…ん」
和が行動を共にしてくれているけど…
「潤さぁ、笑わなくなったよね…」
智「そうだね…」
双子が風呂に入っている間に、智にぃと話をする。
ここ数日、潤の顔から笑顔が減った。
日に日に不安そうに瞳を揺らしている時間が
増えて…
潤「…っ、んくっ、…だ、まだ、な、の…？」
「もうすぐだよ、大丈夫」
風呂から上がって水分補給しながらポロポロと
泣き始める。
和が一生懸命に声を掛けながら背中をさすって
傍にいてくれる。
いつもは逆の立場が多いからね、少しでも潤の
役に立ちたいんだろう。
潤「…ん、んくっ、いつ、な、の…？」
和「22時だから、後少し。一緒にアイス食べて
待ってよっか？」
潤「…っ、んっ、ん…」
取り乱して泣くことはないんだけど、頬を零れる
涙はその後も止まらない。
それでも和はずっと傍にいてくれて…
和「んふふ…潤、よかったね」
翔「ありがとな、和」
和「ん、ふふ…」
翔にぃが帰宅してバフッと引っ付いて甘える
潤の頭を優しく撫でる和。
その姿は、いつもの何倍もお兄ちゃんに見える。笑
翔「和と何したの？」
潤「ゲームと、お風呂と、アイスと…」
翔「はは！楽しそうなことばっかだな。笑」
潤「…ん。くふふ…」
夕食中の翔にぃにピッタリと体を寄せながら
話をしている潤は時折笑う。
翔にぃの傍にいる時には、こうして自分から
甘えられるし、笑顔も見せてくれるんだよね。
翔「ごめんな、遅くなって。どうしてもさ、
人手が足りなくて…」
潤「ん、いいの。帰ってきてくれたから…」
翔「ありがとな。今夜も一緒に寝られるから」
潤「くふふ…よかった」
俺らに見られていることも気にせず、ここまで
素直に甘える潤は珍しい。
でもね、基本は末っ子の甘え気質だから、
これが真の姿なのかもしれないね。
翔「じゃあ、みんなにおやすみなさいして？」
潤「くふふ…おやすみなさい」
この笑顔、守ってやらなきゃ。
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作者名：空
| 作成日時：2017年2月18日 9時
