2487.【3】 ページ37
［翔にぃside］
潤はその日
結局学校には行かずに、俺が帰宅するまで
何となく過ごしていたって智にぃから聞いた。
夜はやっぱり「一緒に寝てもいい？」って
寄ってきて。
ベッドに入ってから色々と聞き出そうとしたけど
早々に寝息を立て始めてしまった。笑
腕にギュッと掴まっているから、何かしら
不安な気持ちがあって、情緒不安定なんだとは
分かる。
だけどハッキリしていなくて…
「やだ…一人になりたくない」が口癖になって、
少しずつ潤が抱える問題がみえてきた。
一人になった時に高熱を出したことで…
また同じ様な状況になったらどうしよう…って
不安で心配で堪らないこと。
一人の時に具合が悪くなって、今度こそ死んで
しまうんじゃないかって恐怖に駆られていること。
そしてその不安と心配、恐怖心は潤の中で
どんどんと膨らんでいるみたいで…
「…潤、どーした…？」
潤「…っ、んくっ、…ょにぃ、いなか、った…」
俺が当直の夜、潤は一睡も出来なかったらしい。
智にぃから連絡をもらったけど、なかなか
帰宅できなくて10時過ぎになっちゃった…
そしたら布団の中でポロポロと泣く潤がいて。
智「ごめんね。寝かせようとしたんだけど
全然ダメで。なに言っても聞かなくて…」
「んーん、ありがとう。一緒に寝てみる」
智「んふふ…お願いね」
傍にいてくれた智にぃも寝ていないから、
部屋で休んでもらうことに。
潤「…っ、んっ、ん…んくっ…」
「ただいま。もう帰ってきたから…な？泣くな」
タオルで顔を拭いてやって、隣に寝転ぶ。
そしたら肩の辺りに顔をグリグリして甘えてくる。
潤「…っ、…ょにぃ、いたら、寝られる」
「ん、じゃあ寝よう。ここにいるから…」
しっかりとくっ付いた潤を、俺も抱き寄せて
そのまま眠る。
一緒にいたら、本当によく眠ってくれて…
智「すごいね、眠れてる…」
「そうだね。先行き不安だけど…」
智「だね…」
眠りながらも俺のことを掴む手の力は緩まないし
眠りが浅くなって目を開ける時は、必ず
見上げて確認してくるし。
これからどうしてやったらいいのか、分からない。
だけどその間にも不安定さは増していく一方。
俺と一緒じゃないと怖がって眠れなくなって
しまって。
潤「いこ…？一緒に、寝よ…？」
不安そうな顔をして腕を引っ張ってくる。
深く眠ったら傍を離れようかとも思ったけど
少しでも俺の動きを感じると、潤は目覚めて
しまう。
「いっちゃう、の…？」って涙を零すんだ…
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作者名：空
| 作成日時：2017年2月18日 9時
