5人で生きてゆく…part50 (ページ2)

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［和side］

智「…っ、か、ず…」

「ん、いるよ。大丈夫…」

かなり時間がかかったけど落ち着いて。

汗をかいてしまったから着替えを手伝っていたら
ポツリポツリ…と言葉を発するようになって。

だけどその言葉が全て「危ないから」「みんな
行かせないで」「外は行かないで」って
恐怖でいっぱいのもので。

「どうしたの…？怖いことあったの？」

智「…っ、んっ、車が…」

恐怖からなのか、なかなか上手く言葉が出て
こなくて状況がイマイチ分からなかったけど…

「事故？」

智「…ん、ん、見ちゃっ、た…」

言葉を繋いだらなんとなく分かった。

「もう大丈夫だよ。ここにいるからね…」

未だ震える背中。

そっと手を回してさすりながら、みんなが帰って
くるのを待つ。

一番先に帰ってきたのは潤。

俺がみんなにLINEで情報を送っていたから、
心配していたみたいで…

「智にぃ！！」って部屋に飛び込んできた。

そんな潤を腕の中に抱き締めた智にぃは「無事で
よかった」ってポロポロと泣き出す。

智「外、危ないから…もう行かない、でね？」

潤「ん、分かった。どこにも行かないから」

智「かず、もね？」

「ん。行かないよ」

3人でギュッとして。

［翔にぃside］

手が空いた時にLINEを見て、ビックリしたけど…

夕方から検査の補助につくことになっていて
どうしても抜けられなくて。

「ただいま…遅くなってごめん」

智「…っ、んっ、よかっ、た…無事で、よかった」

俺の帰りを心配しながら待っていた智にぃは
4人が揃ったことで安心したのか、堰を切ったように
泣き出してしまって。

そこからは「外には出ないで」「どこにも
いかないで」「車にひかれちゃうよ…」って
俺らを守ろうと必死だった。

いくら「気を付けていれば大丈夫」って伝えても
そんなのは気休めにもならなくて。

実際、貰い事故もあるわけだから100%大丈夫とは
言えないわけだしね…

智「…っ、んっ、んくっ…行かない、で…」

「ん、分かった」

抱き締めて大丈夫だと伝えれば「みんなにも
言って？」「出ないって約束して」って。

智にぃは自分自身はもちろんだけど、俺ら兄弟の
ことも外へ出そうとしなくって。

翌日が土曜だったから良かったものの、週が
明けたらどうなってしまうか…

部屋に引きこもって「みんないる？」「誰も外に
行ってない？」って1時間置きくらいに確認しては
ポロポロ泣いて。

そんな智にぃを見て、みんな心を痛めていた。