5人で生きてゆく…part48 (ページ42)

今日:66 hit、昨日:32 hit、合計:1,667,014 hit

2392.【雅紀は駄々っ子？】ページ42

［翔にぃside］

「まさき…」

体調が悪いのをかなり我慢していたんだろう。

気管支が炎症を起こして、息が上手く
吸えなくなって…

俺らが発見した時にはチアノーゼを
起こしかけていて。

何とか挿管できたから良かったものの、もう少しで
気管切開にもなり兼ねなかった。

2日くらいは薬で眠らせて治療を続けて、そろそろ
目を覚ますかなって感じ。

和と潤は目を覚ました雅紀に会いたがったけど
「夕方には抜管済ませておくから」って約束したら
安心して登校していった。

双子が病室を出ていって割とすぐに、手をピクピク
動かし始めた雅紀。

智「まさ…？分かる？」

「…分かるか？」

智にぃと2人、トントンと肩を叩きながら、何度か
呼び掛ける。

雅「…っ、んっ…」

目がしっかりと合って、涙がポロリ…

俺らも涙が零れそうになって、慌てて拭った。

弟の前で兄が2人泣くわけにはね。笑

雅「…っ、んっ、ん…」

「今は喋れないよ。挿管外してあげるから、
待ってな？」

喋りたい気持ちと、喉の奥まで管が通されている
苦しさとで、俺と智にぃをキョロキョロ見ながら
さらに涙が溢れてくる。

すぐに先輩にきてもらって、それから抜管の
処置をすることに。

先輩は「意識戻ったらすぐ連絡しろ」「俺が
手伝うから」って気に掛けてくれていたから。

先「よかったな、雅紀くん。
すぐ翔先生がラクにしてくれるからな？」

智「ふふ…泣き過ぎだよ。笑」

俺らのこと見えなくなってしまうんじゃないかって
くらい目から涙をポロポロ流して。

そんなんだから智にぃがタオルで拭ってくれて
俺と先輩は抜管の準備。

すぐに吸引できるようにチューブも用意して、
軽く頭を上げさせてタオルも敷いておく。

「今からこの管抜くからな？ちょっとだけ
苦しいけど、すぐ済むから」

どうしても苦痛ゼロってわけにはいかないから…

雅紀に一声掛けて、先輩と智にぃにも「始めます」
って伝える。

和の時の様に抑制は必要ないから、先輩は横で
すぐにフォローできるように待機しててくれて
智にぃは雅紀の頭を撫でてくれて。

「ちょっと我慢な？」

チューブに手を掛けて数秒で済むはずが…

雅「…っ…」

「ん？」

雅紀の手が伸びてきてチューブを掴む。

何か伝えたいことがあるのかと思いきや、
微かに振られる首。

「もしかして…抜きたくない？」

僅かにだけど首がコクンと。

「大丈夫だよ、もう自分で呼吸できるから」

不安なのかと思って、そう声を掛けた。