検索窓
今日:23 hit、昨日:42 hit、合計:1,666,447 hit

2383.【兄2人と真ん中っ子の喧嘩】 ページ33

[智にぃside]

翔「だから勝手に
なんでも決めんなって!」

雅「自分のことだもん、自分で決める!」

「相談くらいしてくれてもいいんじゃない?」

仕事のこと、色々と独断で決めてきちゃって…

雅紀は見かけによらず体が弱かったりするし、
責任感が強過ぎて頑張り過ぎてしまうことも
あるから、俺らは心配してる。

だけど雅紀には意地もあるわけで…

雅「出来るからいいの!放っておいて」

翔「心配してんだろ?」

雅「心配なんてしなくていい!頼んでない!」

「まさ?言い方考えな」

雅「…」

いつもは素直な雅紀も、意地を張ってしまうと
自分を上手くコントロール出来ない。

結局、俺と翔で雅紀を責めてしまって関係が
悪化。

雅「もういい!話したくない!」

珍しく俺らに心を閉ざしてしまって、自室に
閉じこもってしまった…

翌朝、ご飯の時に5人が顔を合わせたけれど
雅紀は終始無言で。

普段なら双子に気を遣うだろうけど、それを
したくないくらい怒りがおさまっていないのか、
翔が話し掛けても無視。

出掛ける直前に「どうせ智にぃと翔にぃは
俺には無理だと思ってるんでしょ」「2人して
反対して…もういいよ、やんないから」って。

ろくに話も聞いてやらずに『勝手に決めてきた』
って事実だけで責め立ててしまった俺ら。

双子にも「雅にぃにだって考えはあるし、気持ち
だってあるのに」って言われてしまった。笑

翔と反省しつつ「帰ってきたら話そうね」って
約束した。

約束していたのに…

ピッピッピッピッ…

夕方、翔からの連絡で病院に駆け付けたら、
ICUのベッドに意識なく寝かされている雅紀が
いた。

職場で意識を失って倒れたらしくて…

意識が戻らない可能性もあると言われた。

気が付いたら頬を伝って流れている涙…

険悪なムードのままだったことが悔やまれる。

今朝、どうして無理矢理にでも時間を作って
やらなかったんだろう。

悔しそうに捨て台詞を吐いて去っていく雅紀の
顔は、何度思い出しても悲しそうで…

「…っ、…め、ん、雅紀、ごめん…」

ベッドの傍に膝をついて、反応のない雅紀に
謝ることしかできなくて…

翔「…っ、ん…」

向かい側に立っている翔も、両手をキツく
握り締めて俯いて泣いている。

できることは、なんでもするよ?

だからお願い、もう一度笑顔を見せて…

雅紀が「あひゃ!」って声を上げて笑って
くれなきゃ、我が家に太陽がなくなっちゃう。

頬に触れたら感じる温もり。

お願い、雅紀…

2384.【2】→←2382.【3】



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (669 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2467人がお気に入り
設定タグ: , 家族 , 病系
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2016年10月26日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。