2373.【5】 ページ23
［智にぃside］
なるべく口は出さずに
見守っていきたいけど、雅紀は容赦ない時が
あるから…
ドンッ…
両手で押し返されて尻もちをついた和だけど
再び雅紀に寄っていく。
和「…んっ、や…」
雅「しつけーな！！…っ」
「雅紀、待って」
和に向かって振り上げた雅紀の手を掴む。
これ以上は、ね…
「翔？お願い…」
翔「ん、分かった。和、おいで」
翔は泣きじゃくる和の手を引いて
潤にも声を掛けながら2人を和室へと連れていく。
翔「和がパニックになってる理由は分かるよな？」
潤「…ん。…っ、ん…」
ポロポロ泣きながらも頷いた潤。
翔「潤の責任でもあるんだからな？
まずは2人で話して、それからリビングおいで」
潤「…っ、んっ…、ん…」
何か言いたげに翔を見つめる潤だけど、翔は
それ以上は声を掛けずに、こっちに戻ってきた。
雅「ごめん、智にぃ…もう手は出さないから…」
苦笑いをした雅紀が俺の手から逃れる。
そう言えば、ずっと掴みっぱなしだったわ。笑
俺も翔も雅紀を責めるつもりはない。
例え雅紀がやり過ぎたとしてもね。
でも、やり過ぎてしまうと後で雅紀が後悔して
しまうことを知っているから…
それは避けてやりたいなって2人で話したんだ。
しばらく騒がしかった和室が静かになり、だいぶ
時間が経ってから双子がそっと顔を出した。
俺と智にぃは夕食の片付けなんかをこなしながら
何となく様子を伺う。
目を真っ赤にしている和と潤だけど、さっきの
様に泣いてはいない。
雅紀の背後に立った双子は蚊の鳴くような声で
「まさにぃ、ごめんなさい」って。
雅「…」
和「…めんなさ、い」
潤「ごめんなさい…」
反応を示さない雅紀に負けず、何度も謝る双子。
そんな2人に雅紀は「謝んなくていい！」って
怒鳴った。
ビクッとした和と潤は、時が止まったみたいに
ピタリ…と動かなくなって。
でも、それからポロポロ泣き出して「どうしたら
いいの？」って。
雅「どーもしなくていいよ。もう話したくない、
顔も見たくない。診察もしない！」
和「…っ、やだ、ごめんなさい…」
雅「勝手にすりゃいいだろ？好き勝手やりたくて
2人で嘘付いたんだろ？だったら好きにしろよ」
潤「…めんなさ、い」
雅「その方が楽しいんだろ？具合が悪くなったと
しても、楽しけりゃ、いいんだろ？
好きにすりゃいいじゃん。もう知らねー…っ」
言葉と共に、雅紀の目から涙が零れた…
和潤「…っ、や…」
雅「…っ、俺のが、やだ、よ…」
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作者名：空
| 作成日時：2016年10月26日 18時
