2371.【3】 ページ21
［潤side］
時間が経つにつれて
『これは本気でヤバイやつだ…』って思い始めた。
怒りオーラが半端ない…
翔「ただいまー」
雅にぃが連絡してくれたから、午後の外来を
他の人に任せて翔にぃが帰ってきてくれて。
翔「まさ、ありがと…。大丈夫だから」
和の診察を終えて、翔にぃが雅にぃの肩を
ポンポンと叩く。
ホッとしたような表情になった雅にぃを見て…
どれだけ心配掛けたかと思うと申し訳なくて。
でも、今の俺はそれを伝える術を知らない。
喋ろうとしたことを雅にぃに遮られるかも
しれないことが怖くて…
ほんと勝手なことばっか言ってるよね。
その自覚はあるんだけど、勇気が出ない…
雅「ごめん、部屋行ってもいい？」
翔「もちろん。ありがとな」
結局、雅にぃは自室にいってしまい。
翔にぃに一言「自分たちで解決しろよ」って
言われて説教なく終わった。
夕食時には智にぃも帰ってきて、和の体調も
良くなったから5人で座ったけれど…
雅「…」
和潤「…」
智にぃと翔にぃはたわい無い話をして、いつも
通りに食事していて。
雅にぃも、普段と同じようにそこに混ざって
笑っている。
けれども俺らとは会話をしない。
それどころか視線すら合わせてもらえなくて…
雅「ごちそう様でした」
そのままソファーの方に去りそうになって
しまったから…
「…っ、…さにぃ、待って…」
慌てて呼び止めたけど、それに被せるように
「うるせー、黙れ！」って怒鳴られた。
立ち上がって追いかけようと思ったら…
雅「…っ、くんな！！」
「…っ…」
横から思い切り太ももを蹴飛ばされた…
それまで黙って見ていた智にぃと翔にぃが
「雅紀？」って呼び掛けてくれたけど…
「話したくない…ってか、顔も見たくないから」
ってきっぱり。
突き放されたことで不安になったのか、和が
「嫌だ…ごめんなさい…」って椅子から降りて
こっちへきたけど…
雅「来んな！」
和「…っ…」
突き飛ばされて尻もちをついた。
見たことないくらい怖い表情で怒る雅にぃを
前に、俺らは動くことが出来なくなった…
今まで何度も怒らせたことはあったけど
ここまでは初めてかもしれない。
「…っ、んっ…」
和「…っ、んくっ…」
どうしたら良いのか分からなくて、溢れてきた涙。
雅「お前らとはもう喋らない！」
「…っ、んっ、ん…」
雅「和の診察もやらない！」
和「…っ、んっ、や…」
冷たく強く言い放った雅にぃは、ソファーに
座ってテレビを観始めた…
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作者名：空
| 作成日時：2016年10月26日 18時
