5人で生きてゆく…part48 (ページ19)

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2369.【大激怒した雅にぃ】ページ19

［智にぃside］

今日は土曜日で
双子はフットサル。

翔は仕事で、俺も都内まで出掛けるから
和と潤のことは雅紀に任せていた。

もちろん和には翔が「雅紀の言うことを、きちんと
聞くこと」って何度も言い聞かせて。笑

特にトラブルとか体調不良の連絡がなかったから
夕方になって翔と待ち合わせてから、ケーキを
買って、帰宅したんだけど…

『ただいま～』ってドアを開けたら、少しお怒りの
声がリビングから聞こえてきた。

雅「何のための診察なのか考えろよ？」

和潤「…はい」

廊下のドア付近から翔と中の様子を伺う。

ソファーに座った双子と向かい合うように
座った雅紀が何やら説教をしている最中で
俺らの帰宅には気が付いていない様子。

そのまましばらく盗み聞きしながら…笑

翔「雅紀怒らすのはやめとけって
言ってんのに。笑」

「だね」

聞こえてきた説教の内容を整理しながら
なぜ叱られているのかを理解したんだけど…

どうやらフットサルに行きたいが為に、頭痛を
我慢していて練習の途中でダウンしてしまった
らしいんだ。

雅「今回は自分たちからコーチに申告できたし、
大事には至らなかったから大目にみるけど」

和潤「…ん」

雅「次はないからな？」

和潤「…はい」

素直に頷いた双子は「にぃ達に言わないで？」って
交渉を始めた。笑

心配掛けたくないのもあるし、叱られたくないのも
あるんだろうけど。

雅「もうしないって約束してくれるなら、
今回は黙っててあげる」

和潤「…ん、約束する」

何度も哀願された雅紀は渋々頷いた。

ただね、雅紀はさっきから俺らが帰宅して
盗み聞きしていることに気が付いてる。

ドアに背を向けて座っている双子は、気が付いて
いないけれど。

だからOKを出したのかもしれないね。

そうでなければ俺はともかく「翔にぃには
話す」って告げるはずだ。

和の体のことに関しては、慎重に連携して
いかないと、危険だからね。

個々の判断で、隠したり、データを改ざんするのは
絶対にいけないことだから。

雅「もうこの話はおしまい」

和潤「…ん」

雅「ほら、顔上げて笑って？
そんな顔してたらバレちゃうよ？笑」

茶化して双子の髪の毛をクシャクシャっと。

俺らがいない場面では、こうして優しい兄に
なってくれる雅紀を頼もしいと思う。

だから翔も、安心して雅紀に任せることが
できるんだろうし。

俺らは一度静かに玄関の外へ出て、豪快に
ドアを開けながら『ただいまー！！』って
叫んだ。笑