2364.【智にぃの疲労】 ページ14
［和side］
ここのところ
仕事が立て込んでいて、自室にいる時間が
大幅に増えた智にぃ。
年明けからリニューアルしようとする会社が
増えるから、この時期は仕事の依頼が
増えるんだって。
翔にぃに「夜食持っていってあげて」って
頼まれて部屋を覗いた。
智「かず、ありがと〜」
こんなに仕事が忙しいのに、それを少しも感じ
させない優しい柔らかい笑顔を向けてくれる。
智「今ね〜、あらしをモデルにした犬のイラスト
考えてたとこ〜」
「見せて？」
智「ほら、これ」
「きゃはっ！可愛い」
智にぃの才能はすごいと思う。
魔法にかかったみたいに素敵な作品たちに
変化していくんだもん。
だから、人気者。笑
嬉しいけど、多忙になると無理をしてしまって
体調を崩してしまうんだよね…
それにね、智にぃはこんなに寒いのに薄着
だったり、ソファーで寝たり、床で寝たりする。笑
もちろんその度に翔にぃに叱られてるけど。
「分かってるもん…」って口を尖らせて
ちょこっと反抗するあたりは、俺らから見ても
すごい可愛く感じて笑っちゃう。
そんな多忙な日々が続いたある日の朝…
翔「顔赤くない？熱は？」
智「ない」
翔「ほんと？」
朝食を用意している智にぃの元へ向かって
額に手を当てようとする翔にぃ。
智にぃはそれを何度も制して「俺のことは
いいから。遅刻するよ？」って誤魔化そうと
してる。
翔「こっちきて熱計って？」
智「ご飯の準備あるから、後でね？」
翔「いいから。笑」
朝食の用意を理由に逃げようとしたけど
「今日は自分たちでやるから」って
あっさり連行されて。
翔「ここ、座って？」
智「やだ。熱ないってマジで」
翔にぃが手にする耳式の体温計をパシッと
払って、検温を拒否。
そのうちに、部屋から出てきた雅にぃが
やり取りに気が付いて…
雅「あひゃ！大人しく計られちゃいなよ」
智「他人事だと思って。笑」
雅「他人事だもん。笑」
「隙ありっ！」って叫んで後ろからホールドする
雅にぃ。
智「あー、やめろやっ！」
ピピッ…
翔「終了でーす！笑」
いい大人達が何やってんだか。笑
翔「体温知りたい？」
智「ないからいい」
無理矢理に計られて、ちょこっとムスッと
する智にぃを見て思わず笑ってしまう。
翔「37.6℃」
智「言わなくていーい！」
翔「くはっ！やっぱり熱あるじゃん」
智「…」
翔「一日、安静にね？」
智「…」
ふふ…無反応。
やっぱりちょこっと拗ねてる。笑
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作者名：空
| 作成日時：2016年10月26日 18時
