2362.【4】 ページ12
［翔にぃside］
智「…ん？
潤のなにがいけない？」
落ち着いてきた潤の頭部を冷やしながら、智にぃが
優しく問い掛ける。
潤「…っ、元気で、いたら、悪い…いけな、い」
智「…どうして？」
潤「…っ、んくっ…んっ、んっ…」
何かを伝えようとして発しようとするけど
上手く言葉にならず。
短い呼吸が続いてしまって、苦しそうな表情に
変わってしまう。
「ゆっくり呼吸して落ち着こうか…
なんか温かい飲み物持ってくるから」
智「あ、俺いってくるよ。ここ、代わって？
翔の方が呼吸法伝えられるから」
「ん、ありがと…」
ベッドを背にして座ってから、お腹に凭れさせる
ようにして潤を受けとる。
雅紀が保冷剤を押さえながら、頭を撫で続けて
くれてる…
「息するのラクになるから…な？
出来るだけ真似して？」
後ろから手を回して胸元をさすりながら
ゆっくり呼吸法を伝えていったら、数分でだいぶ
落ち着いてくれた。
智にぃが持ってきてくれた紅茶を飲んだら、
さらに落ち着いて、表情も和らいだみたい。
俺は背後にいるからそんなに見えないけどね、
潤を見つめる智にぃと雅紀の表情を見ていたら
分かるんだ。
潤「…おれが、元気だと、和が、悲しい…」
途切れ途切れではあるけれど、確かに潤が
呟いた言葉。
でも、どういう意味？
いや、言葉のままなんだけど…
だけど、そんなありもしない事…なんで？
頭がグルグルとフル回転。
他の2人も考え込むような難しそうな表情を
浮かべてる。
潤「…でも、おれが、痛いと、和も泣くから…
…っ、んくっ、も…、分かんな、い…」
潤は涙を流しながら「もう分かんない」
「どうしたら、いいの？」って
智「分かんなくなっちゃったね…
一つずつゆっくり、考えてみようか」
正面に座った智にぃが、手を握ってあげながら
優しく話し掛ける。
「よしよし…」って頭を撫でながら…
潤「…っ、んくっ、ん、ん…」
智「考えるためには、まずは落ち着こうね…
苦しいままだと話もできないもんね」
潤「…んっ、んくっ、ん、ん…」
智にぃから、目での合図を受けて、ゆっくり
ゆっくり潤の胸をさする。
力の入っていた体から、少しずつ力が抜けてきた。
潤「…っ、ん、ん…」
「落ち着いてきたね。ん？眠い？」
潤「…ん、ん…」
考えてみれば夜中だもんな。
目をゴシゴシ擦り始めたから、このまま寝かせて
しまって、話は明日でもいいのかな。
とりあえず、潤の思うままに任せてみることと
しよう。笑
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作者名：空
| 作成日時：2016年10月26日 18時
