2147.【3】 ページ47
［翔にぃside］
先輩から連絡が
来た時はビックリしたけど、話を聞いて納得。
和が気にする気持ちは、よく分かるから…
兄弟の俺ら以外に、和が頼れる人がいるってことが
本当に心強くて。
先輩には感謝しかないよね…
電話をもらった時点で、そろそろ帰ろうと思って
いたから、智にぃに連絡して病院に直行する
ことにした。
途中で「エコー検査するけど、和くんの様子次第
では、翔くん来るまで待つから」って連絡を
もらって。
気持ちが少し焦ったけど…
看護師さんに診察室を教えてもらって、内線で
連絡したら「大丈夫です」「隣の診察室は
空いてますよ」って先輩。笑
そんな対応だったから『あ…まだ和が兄達は
呼ばなくていいって言ってるんだな』って思った。
頑固だからね、和は。
先輩に教えてもらった通り、隣の診察室に入って
和達がいる診察室のドアをそっと開ける。
入り口とは別に、診察室には隣の診察室と
行き来が出来るようにドアがあるんだ。
先「寒くない？もうすぐ終わるからね」
和「…ん、へーき…」
カーテン越しに先輩と和の声。
しばらくして「よし、データ取れたからおしまい」
って先輩の声と「ありがと…せんせい」って
和の声が聞こえてきた。
先「検査結果は翔先生に見てもらおうな？」
和「んーん。先生がいい」
先「全部分かってくれてる担当医の方が
いいだろ？」
和「ん…でも…やだ」
先「あ、和くん…」
和が無理矢理に体を起こそうとしたのか
ガタン…って何かが落ちる音と、先輩の少し慌てた
声が聞こえてきて…
「かずっ…」
心配になった俺は診察室に飛び込んだ。
俺の顔を見た途端に「え…なんで？」「先生の
嘘つき」って和。
フォローをする間もなく診察室のベッドで
俺に背を向けて丸くなって拗ねてしまった。
「すみません…」
先「いや。和くんに内緒で連絡した俺が
悪かったし」
先輩は苦笑いしつつ、和の体にブランケットを
掛けてくれて「とりあえずデータ見て、必要なら
処置手伝うから指示出してな」って。
エコーの機材を片付けながら診察室を出ていった。
「かーず…？」
和「…」
「かーずくん？笑」
和「ん〜…やめろっ…」
反応ないから背中をツンツンしてみたけど
体を捩って嫌がられた。笑
少し放っておこうと思って、ベッドの手前に
検査してもらったデータを並べて、これからの
処置を考える。
先輩が心配していた通り…
発作の前兆…って感じがする。
上手く薬でコントロールできればいいな…
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作者名：空
| 作成日時：2016年2月10日 18時
