2145.【先生、助けて？】 ページ45
［和side］
翔「よかった…
やっと熱、下がったな…」
「ありが、と…」
苦しくて、辛くて…体が怠くて重くて…
何度泣いたんだろう。
どれほど心配掛けたんだろう。
「病院は行きたくない」って困らせて、兄たちに
かなり無理させて自宅で看病してもらった。
ここ数日、仕事と看病で、ゆっくり寝れることって
なかったんじゃないかな…
そう思うと、申し訳なくって堪らない。
いくら「気にしなくていいよ」って言われても
やっぱり気にしてしまうし、これ以上の負担は
掛けたくないと思ってしまう。
それなのに…
「…っ、いってぇ…」
体調が回復してから1週間も経っていないのに
朝から頭痛がして辛い。
隠して学校に行って、授業を受けていたけど
やっぱり辛くなってきてしまって「また迷惑
掛けるんだろうな…」って思いが…
潤「じゃあ、気を付けて帰れよ？」
フットサルに行くって言う潤と分かれて
向かった先は病院。
翔にぃは今日お休みで夕方まで出掛けるって
言ってたし、雅にぃ仕事だし。
放課後にニコちゃんマークもらってるから
智にぃも心配しないし。
そう思って、ナースステーションまで歩く。
外来に行けば会えるかも…って思ったけど
やっぱり恐くて勇気が出なかった。
看「あれ？和くん。翔先生お休みよね？」
運良く担当の看護師さんが俺を一番に見つけて
声を掛けてくれて。
この人、本当に優しいんだよね…
「先生に、会いにきた…」
多分ね「ちょっとおかしい」って思ったと思う。
自分で言うのもなんだけど、決して元気で
ピンピンしてて先生に会いにきたって感じでは
ないからね。
それに、顔も引きつってると思うし。笑
でも看護師さんは、そこには触れずに先生を
電話で呼び出してくれた。
先「かずくん、こんにちは。こっちおいで」
「あの、ね…？」
先生は空いてる診察室に連れて行ってくれて。
俺はそこで1週間前まで体調を崩して迷惑を
掛けていたことと、今朝からまた体調が
悪いことを伝えた。
「にぃ達に、言わないで…？」
最後にこう付け足したもんだから、先生も苦笑い。
先「とりあえず、診察してもいいか？」
「…ん」
「ちょっと待ってて」って、先生が準備を
している間に深呼吸を繰り返す。
ドキドキうるさいくらいの心臓と、それに合わせて
ズキズキ痛む頭…
先「お待たせ。聴くだけだから大丈夫。
ちょっと手、入れるからな？」
ベッドに座った俺の服をちょこっと捲って、
先生の手と聴診器が入ってきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1957人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2016年2月10日 18時
