2126.【2】 ページ26
［智にぃside］
和「…っ、んくっ…
…んっ、…ん、…んな、い」
気持ち良く寝てたところを起こされて、しかも
大嫌いな座薬をされて、和の心は折れた。
それでも翔が「浣腸よりいいだろ？」って
言い聞かせて、再度試みたけど…
和「…っん、…たい、痛い！」
「痛いね…やめようね」
いつもと少し違う反応に、翔も首を傾げてる。
翔「入らない？」
「…ん、押し込めないっていうか…
なんかいつもと違うんだよね…」
結局「興奮し過ぎてるし、やめておこうか」って
座薬をやめて、寝かせてあげることにした。
グズグズ泣いて眠りに落ちた和。
翔「入れられるといいんだけど…」
追い討ちを掛けるようで可哀想だけど
翌朝も再チャレンジ。
和「…や〜、いたいっ！」
でもね、座薬を入れようとした瞬間に
痛がって叫び声を上げて。
無理矢理に押し込もうとしても入らない…
翔「おかしいね…ちょっと代わって？」
和「…っ、や〜、翔にぃ、だめ…」
「大丈夫…診てもらおうね」
「翔は嫌だ」って泣くのには、もちろん恥じらいも
あるけど、今はそれ以上に「医者の翔に何か
されるんじゃないか…」って恐怖心が勝ってる
気がして、可哀想になる。
抑制の意味もあるけど、安心させたいって思いで
抱き締めて背中をさする。
翔「力抜いててな？ふぅ〜…？」
和「…っ、んっ、ん…」
やっぱり何度か「いたい！」って叫んで泣いて
呼吸が乱れてしまったから、諦めることに…
ただ諦めるってわけにも行かないから病院へ。
「たいちゃんが診てくれるって。よかったね〜…」
泣きはしないものの、足を突っ張って抵抗したり
背中にしがみ付いたりして大変だった。笑
医「こんにちは、和くん。久しぶりだね」
診察室に通されて、先生に話し掛けられても
俺の背中に顔を隠したまま。
先生は翔から話を聞いてから「まずは診るだけ。
検査はなにもしないから」って約束してくれた。
渋々だけど診察台の上に寝転んでくれた和。
体を横向きにして膝を抱え込ませたら
「恐いことなしね…？」って声を震わせながら
先生に確認してる。
医「ん、約束。大丈夫、守るからね」
和「…ん」
病院と検査の恐怖に、先生が勝つんだから
ほんとにもう感謝以外のなにもない。
恐怖で震えながらも「先生を信じよう」って
思える和の心にも成長を感じるね…
医「麻酔のゼリー塗って、ちょっと触っても
いいかな？」
和「…」
翔「かず？」
和「…少し、だけ…」
まだ頑張れるみたい。
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作者名：空
| 作成日時：2016年2月10日 18時
